キャル

劇場公開日:

解説

北アイルランドの政治的紛争を背景に、ひとりの青年の愛と苦い青春を描く。エグゼキュティヴ・プロデューサーはテレンス・クレッグ、製作はデイヴィッド・パトナム、監督は「ひと月の夏」のパット・オコナー、原作・脚本はバーナード・マック・ラヴァティ、撮影はイェジー・ジェリンスキ、音楽はマーク・ノップラーが担当。出演はジョン・リンチ、ヘレン・ミレン(84年度カンヌ映画祭主演女優賞)ほか。

1984年製作/イギリス
原題:Cal
配給:ヘラルド・エース=日本ヘラルド映画
劇場公開日:1989年9月22日

ストーリー

北アイルランド、アルスターの小さな町で、カトリックの父シャミー(ドナル・マッキャン)と共に食肉解体場で働く19歳の青年キャル(ジョン・リンチ)は、プロテスタントが支配的な周囲の中で孤立し、無為に日々を過ごしていた。そんなある日、彼は町の図書館で働くマルチェラ(ヘレン・ミレン)という女性と出会った。夫をテロで殺された彼女もカトリックであるため、プロテスタントの夫の親戚とうまくいっていなかった。日々激化してゆく宗教的対立の中で、キャルもIRAというテロ組織の一員であったが、友人のクリリー(スティーヴン・リムカス)と共にテロによる殺人の現場に立ちあって以来、脱退したがっていた。ある日キャルはマルチェラの義母と出会い、農場の仕事を手伝うようになり、いつしか下男として働くことを許される。しかしそんな折キャルの家が何者かに放火され、シャミーは次第に自閉症気味となり、一方のキャルはマルチェラの農場の廃屋で住み込みで働くことになった。キャルの孤独な姿に次第に好意を抱くようになっていたマルチェラは、ある日キャルから愛を告白され、やがて2人は結ばれた。マルチェラは夫との過去を忘れようとするが、キャルには忘れられない過去があった。彼がクリリーと共に行ったテロ行為で殺したのはマルチェラの夫だったのである。一方組織はキャルの脱退を許さず、クリスマス・イヴの夜、彼を捕えて車で連行する。しかし途中で検問に引っかかり、強硬に突破しようとした挙句、銃弾を浴びた車は谷に転落。キャルは逃亡に成功するが、リーダーは死に、クリリーも逮捕されてしまう。やがて夜は明け、キャルは何とかマルチェラのもとにたどりついた。しかし二人だけの時間はわずかしか残されていなかった。キャルは警察に捕まり、マルチェラは次第に遠くなってゆくパトカーを見送るのだった。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第37回 カンヌ国際映画祭(1984年)

受賞

コンペティション部門
女優賞 ヘレン・ミレン

出品

コンペティション部門
出品作品 パット・オコナー
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