キッチン・トト

劇場公開日:

解説

50年のマウマウ団の暴動が頻発する激動の日々を背景に、民族意識と白人の友情の板ばさみになる一人のアフリカ人少年の悲劇を描く。エグゼキュティヴ・プロデューサーはメナヘム・ゴーランとヨーラム・グローブス、製作はアン・スキナー、監督、脚本は本作品がデビュー作にあたるハリー・フック、撮影は「シド・アンド・ナンシー」のロジャー・ディキンス、音楽はジョン・キーンが担当。出演はエドウィン・マヒンダ、ボブ・ペックほか。

1987年製作/イギリス
原題:The Kitchen Toto
配給:ワーナー・ブラザース
劇場公開日:1988年4月29日

ストーリー

キリスト教伝導者だったムワンギの父は暴力による独立運動に反対したため殺されてしまう。その数週間後ムワンギ(エドウィン・マヒンダ)は、白人の警察署長ジョン・グレイアム(ボブ・ペック)の家で、〈台所の下働き〉となり、幼い彼を父のようにかばう召使いのムゴ(ニコラス・チェイス)を通し、黒人と白人両方の世界を垣間見ることになる。仕事になかなか馴染めないムワンギは、11歳になるジョンの息子エドワードと友だちになり、森で狩りをしたり、人種を超えた友情の中で楽しい日々を過ごすのだった。そんなある夜、狂信的な独立運動の一団がムワンギやムゴなど召使いを森の奥に連れ込み、無理矢理白人に歯向う誓いをたてさせ、さらにムゴにジョンを殺すよう命令する。独立戦争のさ中で、民族意識、友情など明確に善悪では割り切れない問題に悩むムワンギは、その揺れ動く心のままそれらを理解する力を持ち合わせることなく事件の渦中に巻き込まれ、そして殺されてしまうのだった。

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