危険な曲り角

劇場公開日:

解説

「遥かなる国から来た男」につぐマルセル・カルネ監督作品。サン・ジェルマン・デ・プレのハイ・ティーン達の生態が追求されている。カルネの執筆したオリジナル・シナリオを、「われら巴里ッ子」のジャック・シギュールとカルネ自身が脚色、台詞はシギュールが担当している。撮影は「女の一生」のクロード・ルノワール。音楽にはモダン・ジャズが全面的に使われ、アメリカのノーマン・グランツのJATPとフランスのマキシム・ソーリー楽団が演奏を受けもっている。出演者は「女の一生」のパスカル・プティの他、新人アンドレア・パリジー、ジャック・シャリエ、ローラン・テルズィエフ、それにローラン・ルザッフル、ローラン・アルモンテル等。

1958年製作/フランス
原題:Les Tricheurs
配給:東和
劇場公開日:1959年3月14日

ストーリー

ボブ(ジャック・シャリエ)は過去にすぎさった日々を思い出す。--ある日、レコードを盗んだのを偶然見たことから、彼はアラン(ローラン・テルズィエフ)という青年を知った。山の手の住人である彼を、サン・ジェルマン・デ・プレの、あの青年男女の仲間に紹介したのはアランだった。その仲間たちの女王クロ(アンドレア・パリジー)の邸で、酒とセックスのお祭り騒ぎのあった夜、クロはボブをベッド・ルームにさそった。彼が、別室に別の男とともにいたミック(パスカル・プティ)を、初めて見たのはその日だった。ボブとミックの間には、その時から特別な感情が流れた。しかし、彼等の仲間の世界では、特定の異性にセックスの快楽以上の興味を示すことはタブーだった。二人は互に自分の気持を偽らざるをえなかった。そんな時、仲間の一人で、ある外交官夫人と関係のあったペーテルという男に、相手方が体面を重んじて、過去に送った手紙を買いもどすことを、申し入れてきた事件が起った。当人のペーテルが事件を恐れて失踪したのを、アランを通じて知ったミックは、一計を案じた。かねて欲しかったスポーツ・カーの白いジャガーを、その金をとって買おうというのだ。ミックとともにボブが交渉に当った。しかしその手紙を読んだボブは、内容の真摯さにうたれて、計画を中止させようとした。ミックはそんなボブをののしって去った。いろいろ考えたすえ、ミックのよろこぶ顔がみたいために、心を決したボブは、一人で手紙とひきかえに金をとってミックを訪ねた。だがミックはその時、アランとベッドの中にいた。二人が再び顔を合せたのはクロの邸での例の如き夜会の夜だった。互に相手を愛し切っていながら、二人は自分を偽ってことごとに対抗しあった。妊娠したクロのたのみによって、彼女との結婚を誇らしげに公表するボブを見て、ミックは一人戸外に走り出ると白いジャガーを疾走させた。ボブは彼女の車を追ったが、ミックはトラックとの衝突をひきおこして死んだ。ミックの兄で自動車工のロジェ(R・ルサッフル)の慰めも、ボブの耳にはむなしかった。--自分を偽らずに生きること、それを、いまボブはあらためて、心に誓うのだった。

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