劇場公開日 1987年10月10日

カラスの飼育のレビュー・感想・評価

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3.0予備情報も善し悪し…

2021年4月29日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

近くの図書館でたまたま見つけ、
興味深いスペイン内戦時に絡む作品との
ことだったのでレンタル鑑賞。

しかし、ディスクに添付されてあった解説書
による先入観から鑑賞を左右された。

解説書には、父はフランコ将軍、母は国民、
叔母はフランコ亡き後の軍人、
アナはテロリストを象徴しているとの、当時
のスペインの状況を風刺した設定とあった。

そんな先入観を持ちながらの鑑賞ながらも、
主役のアナの怖いくらいに純粋で自己中心的
な子供らしい精神世界を上手く描いた作品
としての印象が強く残った。

アナの心の内面の表現として、
現在の場面に過去を重ね合わせて描く手法は、分かり難さも無く秀逸。

また、私の妻と母、妻と娘を見ていると、
女性同士の親子関係は
特別な絆を感じるが、
この映画でもそう確認させられるばかり。

解説のように、確かに制作者側の
歴史背景的な意図はあるのだろうが、
子供の成長期における精神的な特異性の観点
からだけでも、充分に魅力的な作品だった。
確かに事前情報が全く無いままでの鑑賞で
理解不足のまま終えるケースもあるが、
この作品では、
時代風刺の要素を排除した中での鑑賞して
いたらどんな印象に変わっていただろうか
と考えさせられる。
予備情報も善し悪しと
悩まされた作品だった。

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