ウディ・アレンの重罪と軽罪

劇場公開日:

解説

人間の愛と欺瞞、成功と挫折をふたつのストーリーから描く人間ドラマ。エグゼクティヴ・プロデューサーはジャック・ローリンズとチャールズ・H・ジョフィ、製作はロバート・グリーンハット、監督・脚本・主演は「ニューヨーク・ストーリー」のウディ・アレン、撮影はスヴェン・ニクヴィストが担当。出演はほかにマーティン・ランドー、ミア・ファローほか。

1989年製作/アメリカ
原題:Crimes and Misdemeanors
配給:オライオン映画=ワーナー・ブラザース
劇場公開日:1990年4月6日

ストーリー

眼科医としての地位を確立したジュダー・ローゼンタール(マーティン・ランドー)は、愛人のドロレス・ペリー(アンジェリカ・ヒューストン)から妻のミリアム(クレア・ブルーム)と別れるよう迫られて困っていた。さもないと、株の穴を埋めるためにジュダーが財団の基金を一時流用したことをバラす、と脅迫されているのだ。窮地に立たされたジュダーは、チンピラの弟ジャック(ジェリー・オーバック)に相談すると、ジャックから殺し屋を雇ってドロレスを殺すから安心するようにと平然と言われる。そうなるとジュダーはドロレスに対する罪の意識で苦悩してしまう。一方、売れないドキュメンタリー監督のクリフ・スターン(ウディ・アレン)は、妻ウエンデイ(ジョアンナ・グリーソン)の兄で、テレビ・ディレクターのレスター(アラン・アルダ)から、レスターのドキュメンタリー映画を撮るように依頼されるが、クリフには俗物のレスターの作品なんて真面目に撮ることができない。そして妻との間がしっくりいっていないクリフは、製作助手のハリー・リード(ミア・ファロー)を愛するようになるが、レスターも彼女を狙っており、クリフは躍起になる。しかしそんな時、ハリーが仕事で1年間ロンドンに行くことになった。その頃ドロレスも、ジャックの雇った殺し屋によって命を落とし、事件は迷宮入りするのだった。そして1年がたった。ウエンディの兄で失明した牧師のベン(サム・ウォーターストン)の娘の結婚式に出席したクリフは、妻との離婚が決まっていた。そこヘハリーがレスターと共に姿を現わす。ロンドンでの再会がきっかけとなってふたりは結婚することになったのだ。それを知ったクリフはショックをうけ、そしてその時、クリフは初めて出会ったジュダーと罪について会話をする。ベンの主治医でもあるジュダーは、もはや自らの宗教観によってドロレスに対する罪の意識を解消していた。一方のクリフは、失った恋の痛手に落ち込むのだった。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第47回 ゴールデングローブ賞(1990年)

ノミネート

最優秀作品賞(ドラマ)  
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映画レビュー

4.0天才の妙義。これが映画だ。

2023年1月23日
iPhoneアプリから投稿

シーン転換の度に観客の思惑を裏切り、
これ以上無い面白さで物語を転がす妙義。
何処か凡庸な不倫譚ゆえに安心して身を委ねられるから、
微量な捻り部分にこそ特異なテーマが浮かび上がる作劇の新味。
最難題の尻切れトンボを軽みで納める天才。
これが映画だ。

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きねまっきい

3.5Crimes and Misdemeanors

2018年12月23日
Androidアプリから投稿

どんな罪を犯しても成功者はどんどん成功してゆき…敗北者はさらに惨めに負けるだけである。 という人生の不条理っぷりを皮肉たっぷりに描いているブラック・コメディー(?)です。 ストーリー的に深く人生って物を考えさせられます。また何年か後に見てみたい一作。

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ぽんぽん