アンジップト

劇場公開日:

解説

鮮やかな色彩と斬新な造形感覚で90年代のニューヨーク・ファッション界に新風を吹き込んだ気鋭のデザイナー、アイザック・ミズラヒ。94年秋冬コレクションを準備するその姿を半年間にわたって追ったドキュメンタリー。監督はファッション写真家でファッション誌のための短編ビデオなどを手掛けてきたダグラス・キーヴで、本作が初の長編ドキュメンタリー。製作は「理由」のマイケル・アルデン、共同製作はポール・デベネディクティス、キース・エスタブルック、エグゼクティヴ・プロデューサーはデイヴィッド・ペッカーとミズラヒ・カンパニーの副社長であるニーナ・サンティジ。撮影は「コーヒー&シガレット」(短編)のエレン・キュラス。監督のキーブ自身を含め多数のカメラマンがスーパー8ミリ、スーパー16ミリなど様々なフォーマットを駆使し、元カメラマンの監督らしく様々なトーンを使い分けた白黒とカラーの映像がスタイリッシュに交錯していく。編集はポーラ・ヘレディア。アイザック・ミズラヒ本人へのインタビューとその活動を追ったフィルムから構成され、ショーに出演するリンダ・エヴァンジェリスタ、ナオミ・キャンベル、ケイト・モス、シンディ・クロフォード、エヴ、ヘレナ・クリステンセンら今を時めくスーパー・モデルやトップ・モデルが総出演。さらにミズラヒが衣裳を担当したライザ・ミネリやアーサー・キットらのアーチストたち、ショーを見に来たリチャード・ギア(シンディ・クロフォードの元夫)やロザンヌ、カイル・マクラクラン(リンダ・エヴァンジェリスタの婚約者)などの映画スター、『エル』や『ヴォーグ』の編集者らファッション業界の実力者、コメディエンヌのサンドラ・バーンハートなどミズラヒの友人たち、そのスタッフ一同、それに母親などが登場する。また映画ファンのミズラヒの話のなかで、ロバート・フラハティ監督のドキュメンタリー映画の古典「極北の怪異」、ロバート・アルドリッチ監督の「何がジェーンに起こったか?」、マイケル・パウエル=エメレット・プレスバーガー共同監督の「赤い靴」などが引用される。エンド・クレジットの歌はピチカート・ファイヴの『HAPPY SAD』。

1994年製作/74分/アメリカ
原題:Unzipped
配給:日本ヘラルド映画
劇場公開日:1996年6月29日

ストーリー

※本作はドキュメンタリーのためストーリーはありません。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

4.0スーパーモデル大集合

2022年5月19日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

モノトーンで荒れた粒子のフィルム。
監督は元写真家だそうだ。
そして撮影チームは誰かしらと調べれば うち一人はあのジム・ジャームッシュ「コーヒー&シガレッツ」のエレン・キュラスです。納得。

ショーのためのデザインに苦労するアイザック・ミズラヒ。
彼のグレーな心象風景から、突然一転してのあの鮮やかなランウェイシーンへの転換には、見ている僕も思わず快哉を上げて立ち上がりたくなりました。

尺も短めでちょうどよく、
我が子の大成を喜ぶお母さんのインタビューも温かいです。
母親の財布からお金をちょろまかしてそのお金で生地を買っていたというアイザック少年。初のショーで息子の才能に声を上げて泣いたママ。
この母にしてこの子ですよね。

そしてポップなアイザック・ミズラヒとモデルたちの掛け合いがこの映画の見所。
ステージに紗の幕を張ってスーパーモデルたちの表の顔、そして裏の顔を見せちゃう演出もなかなか。彼女たちのガンの飛ばし合いやピリピリしたさや当てには興味が尽きない。

ファッションブランドの映画はたくさんありますがモデルたちの人となりにより多くのウエイトを置いているのも珍しいと思います。

・・・・・・・・・・・・

バブル華やかかりし頃、
タイムズ・スクエアには日本企業のロゴサインが夜空を彩っていた頃の映画。
ご機嫌なサウンド・トラックの〆はピチカート・ファイヴというおまけ付き。

わがままを言わせてもらえば、ドキュメンタリーなのですからモデルや出演ゲスト、そしてゴージャスなコレクションの招待客に「字幕で名前」を出してくれるとミーハーな僕は嬉しいんですけれどね。

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きりん