アジアの瞳
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解説

戦国時代、日本からキリスト教伝導のためローマに派遣された天正少年使節の少年らがたどった運命を、フィクションとドキュメンタリーを混在させた構成で語った一編。監督は『王の審判』(89、未公開)などのポルトガルの異才ジョアォン・マリオ・グリロ。脚本はグリロとパウロ・フィリペが共同で執筆。製作は日本の映画製作会社フィルム・クレッセントの相澤徹と、「メフィストの誘い」などマノエル・デ・オリヴェイラ作品で知られるマドラゴア・フィルムズのパウロ・ブランコの共同。出演は「ピーター・グリーナウェイの枕草子」のオイダ・ヨシ、「チャーリー」などのジェラルディン・チャップリンほか。東京・草月ホールでの先行上映を皮切りに、アテネ・フランセ文化センターほか、全国8都市で特別公開された。

ストーリー

16世紀末の日本。キリスト教伝導のためローマに派遣された、伊東マンショ、原マルチノ、千々石ミゲル、そして中浦ジュリアンのいわゆる天生少年使節の4人の少年たち。だが、帰国後、禁教令がだされ、運命は変転した。絶望したマンショは病死、マルチノはマカオに渡り、ミゲル(梅野泰靖)は迫害を避けるため、表向きは棄教し、身の安泰を図ろうとした。ただひとり、ヨーロッパの荘厳さに深くうたれた中浦ジュリアン(オイダ・ヨシ)だけは、信念を捨てず、布教をやめようとしなかった。長崎奉行の又左衛門(原田清人)はジュリアンの転教説得を命じられるが、失敗して転落の道をたどる。マカオのマルチノも精神の安らぎを得ることはなかった。ジュリアンと同じ牢獄につながれたポルトガルの高僧フェレイラ(ジョアォン・ペリィ)は拷問されたあげく転教するが、彼も神を忘れることはできなっかた。ジュリアンは結局殉教するが、奉行はその行為に恐れを抱くのだった…。現代の長崎。先のドラマの舞台になった当地をEU(欧州連合)の文化官ジェーン(ジェラルディン・チャップリン)が来訪。目的は少年使節をテーマにしたオペラをヨーロッパに紹介するためだった。子供の頃一時いたことのある長崎は、彼女にとって、太平洋戦争時の原爆投下の悲惨な事実を知ったゆえに、人々の心に巣食う“不寛容さ”と闘うという信念を得た土地でもあった。だが、現在の長崎には原爆の悲惨さを留めるものが跡形もないことに、彼女はショックを覚える。そんな彼女に結城神父(本人)はそれは「忘れたからではなく、許した」からだと論す。ジュリアンの殉教のような不寛容さや悲惨な現実がなくならない世界に疑問を抱かずにはいられないいジェーン…そして、海だけが時代を越えて変わらない姿をとどめているのだった。...

作品データ

原題 Os Olhos da Asia/The Eyes of Asia
製作年 1997年
製作国 日本・ポルトガル合作
配給 フィルム・クレッセント
上映時間 90分

提供:株式会社キネマ旬報社

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