劇場公開日 1963年6月11日

悪徳の栄え(1963)のレビュー・感想・評価

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3.0女優を美しく撮る、情熱

2018年9月2日
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付き合った女優を美しく撮る、ロジェ・バディムが マルキ・ド・サドの原作を、第二次世界大戦下の フランスに置き換えたもの(と、いうより インスピレーションを受けたくらいか…)
話を引っ張ってゆくのは、ナチス高官の情婦として 安穏とした生活を送る、ジュリエット(悪徳の栄え)で、アニー・ジラルドが好演している
レジスタンスの彼が連行され、探し回っているうちに、ナチの騎士館に送られてしまうその妹 ジュスティーヌ(美徳の不幸)をドヌーブが演じている
ドヌーブを美しく撮る、ことに集中が感じられるのだが、 騎士館の存在も 妙にメルヘンチックな曖昧模糊としたものになり、変
大体、彼女に惚れたらしい管理者(性的不能)が
彼女の被害を最小限に抑える、なんて話は必要なのだろうか?
この後、ブニュエルが「昼顔」で 代わりに鞭打ってやった、と思えるほどである

最後に アメリカ軍によって、妹は解放され めでたし、めでたしとなる

しかし、最近の話では フランスの女性達の解放軍による、戦後被害の話も語られ始めた…
本当に戦争による 女性被害は辛い
悪徳の役回りのジュリエットだって、ある意味 自分の性を等価交換して、被害を最小限に抑えたともいえる

ナチスによる 女性蹂躙は諸説あり 正確には解明されてはいない
女性被害が 見直されたり、 政治利用されたりもする、昨今なので 何か不思議な感覚で この映画を見た
バディムは ナチスも ドヌーブを美しく撮る為の背景、ぐらいにしか考えていなかったのだろう!

ロベール・オッセンの親衛隊将校が、怖い

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jarinkochie