見たい度推移(赤線は公開日)


「東京マリーゴールド」の市川準監督が村上春樹の『レキシントンの幽霊』に所収された同名短編小説を映画化。トニーと名付けられ、孤独に生きてきた男が一人の女性と出会い、初めて幸せと愛情に触れる。主人公トニーの暮らす家でストーリーの大半が推移するミニマムな設定ながら、原作の裏側までも読み取って映し出したような市川監督の演出と、主演を務めたイッセー尾形と宮沢りえの力量ある演技で、人の心の移ろいを見つめる奥深い一作となった。坂本龍一の音楽もすばらしい。母を早くに亡くし、父も家を空けがちで家庭を知らずに育ったトニー滝谷。そんな彼は、いつしか孤独を孤独と感じずに生きていた。だが妻と死別した彼は生まれて初めて孤独を知り……。




