秋桜残香 コスモスザンカ

劇場公開日:

解説

茨城県真壁郡の美しい風景を舞台に、戦中の記憶と最後の想いを結ぶ恋愛映画。戦時中でありながら純粋な想いを持ち続けた主人公を通して、秋桜の美しい背景と戦争がもたらした悲劇を描く。

2005年製作/43分/日本
配給:SIDE-B FILM
劇場公開日:2005年10月28日

ストーリー

現在の日本。車椅子に座る一人の老人(高杉哲平)が、写真を見つめ微笑んでいた。昭和10年後期、入隊検査の途中で逃げてきた軍服の若い男、加藤秋次郎(金田文雄)。同じく軍服を着た3人の男が追ってきて、秋次郎は神社の軒下に隠れる。偶然神社にお参りに来ていた少女・静子(たなかえり)は、秋次郎がいるのに気づくが、追っ手から彼を助ける。そして握り飯をご馳走し、2人はゆっくりと話を始める。夢に向かうことが許されない時代、戦争が早く終わるように祈っていること、寂しいときにやること、元気をくれるもの…。会話をしながら、秋次郎は静子に惹かれていく自分に気づいていた。静子は両親を幼い頃に亡くし、ただ一人で生きてきた。そして病気を患っている。そんな静子に元気をくれるものは、秋桜の花だった。「コスモスはゆりのような香りはなく、ひまわりより力強さはない、秋風に揺れながら咲いている様子は、私の心を優しくしてくれます」と語る静子。「この草原一面にコスモスをいつか咲かせてみせます」。いつしか2人は、お互いにずっとここにいたいと願うようになる。しかしそれもつかの間、そこへ再び追っ手がやって来る。秋次郎は追っ手に捕らわれ、軍隊に連れて行かれてしまう。その後、戦争が終わり、秋次郎は静子と出会った場所に戻ってくる。しかしそこには、もう静子はいない。時が経ち、秋次郎は82歳で天寿をまっとうしようとしていた。目を閉じると、あの日の静子の面影が脳裏によみがえる。そして記憶の中で、秋次郎はあの場所で出会った頃の静子に出会う。一面にコスモスの花が咲き乱れ、2人は香りをかぐように、空を見上げる。気がつくと秋次郎は、あの時の静子がしていた桃色のスカーフを抱きしめていた。

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