レディ・ジョーカーのレビュー・感想・評価
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要らないシーンが多かったのではないか?
昔本で読んだが改めて映画で観てみた。あの長い原作を120分に纏めるのは難しいに決まっている。しかしその割には要らないシーンが多かった。高村薫の作品は暗いものが多いがこれも同じ。原作を読んでいない家内に色々質問されたが正直内容を覚えておらずほとんど答えられなかった。少なくとも哲也は適役か。彼を含めて亡くなってしまった懐かしい顔が見られるのは嬉しいが、面白い映画とは言えない。
犯罪をベースにした「人間ドラマ」です。
ビール会社を脅迫する主人公と、その仲間の人間模様を描く物語。
「マークスの山」に似ているな~と思っていたら、原作者は同じ方のようですね。
サスペンスというよりは、犯罪者達の人間ドラマを中心に描かれていて、スパイスとして歪な警察組織が描かれています。
高く評価されている原作のようですが、この映画はサスペンスとしては面白みに欠けるのが残念なところ。
合わせて、人間ドラマとしても、主人公以外の描かれ方が不十分に感じてしまうのも残念です。
ただ、一番残念なのは、本来の主人公である合田に徳重が配役されていること。どう考えても力不足で重みを感じません。渡哲也とセットでの起用だったと思いますが、情実が見えてしまい、興が削がれてしまいました。
しっかりと作られた映画だったので残念ですが、少々低めの評価です。
予習必須!
「あんたたちには、わかりゃしないよ」というコピー。観客にケンカを売っているような気がした。そしてそのケンカを買ってしまった。。。
原作は素晴らしいんだろうなぁ、と想像できる映画でした。そしてその想像力は、映画を‘読む’にあたっても必要不可欠の重要なものだった思います。レディ・ジョーカーの5人の設定は、社会的弱者にスポットを当てて、不条理な世の中に対して文句も愚痴も言わずに耐え忍んでコツコツと生きる男たちがその鬱憤を一気に吐いてしまうという、まさしく社会派ミステリーの一級品の原作なのでしょう。この設定だけで満足しました。
さて、ストーリーが淡々と展開します。それも全て唐突に展開します。理由なんて必要ありません。予習さえしておけば大丈夫なのですから・・・しかし、原作を既読の人にはとてもわかりやすいと思われるのですが、予習をしなかった人には‘眠気’という罰が与えられます。私はかろうじて特集チラシを読んだおかげで眠気地獄からは開放されました。しかも“グリコ・森永事件”の報道に関して、当時推理小説好きであったおかげで関心が高かったため、この映画も比較しながら楽しむことができました。
しかし、しかしである!心情描写も疎かにして唐突に自殺する人々!わかりません。わかりませんよ、この人たちの行動。脚本家も大変だったと思いますよ。原作が立派すぎると、映画として不要な部分を大胆にカットするのも畏れ多いでしょうからね。そして、評価が下がる原因を作った演技力の問題。菅野美穂が喋りだした途端、呆気にとられ帰りたくなりました。徳重聡もダメダメ君です。そして関西弁が得意なはずの大杉漣も今回は台詞を噛みそうな雰囲気。意外と良かったのは吉川晃司でしょうか。
だめな点ばかり言ってもいられません。美術は良かったと思いますよ。社長室の壁にある歴代ラガービールのラベルや、昭和初期を思わせるポスター、そして一番良かったのは、哀愁さえ漂う「くすりのモノイ」の店舗でした。ちなみに、石川県で“ものい”と言うと、体がだるいことを意味します。
【2004年12月映画館にて】
【2020.11月。日本映画専門チャンネルにて16年ぶりの鑑賞】
いきなりの誘拐・・・手口、時間経過、さっぱりわからないまま裏取引によって解放。この展開が予習なしで観ると混乱を招くのだろう。この前に「NHKスペシャル グリコ・森永事件」を視聴したので理解ができました。謎に包まれた社長誘拐がほんの序章にすぎなかったこと。警察の捜査方法もそうだ(現行犯逮捕じゃないとダメだとか、現金輸送車追尾とか)。犯人の目的を明らかにしない効果だったようです。ただ、『罪の声』でも感じた犯人側の動機だけは実際の事件とは違うような気がしてならない・・・
部落問題、在日差別などの根強いヘイト、レイシズム、それに社会的弱者の問題などはコロナ禍の現在の方が理解しやすいかもしれません。そして警察内部の闇の部分をあぶり出す作風も重いけど面白い。それでもやっぱり人物描写がイマイチ。詰め込み過ぎだなぁ・・・最後のレディの微笑みに救われた。
渡哲也さんを偲んで
原作未読
読んでみようと思う気がしなかった
あまり好きな作家ではない
映画館では鑑賞せず
2004年の作品
16年前だ
古いようでそれほど古くないがやはり古い
ガラケーだが携帯電話が普及しているので最近にも感じるがそれもだいぶ前の話だ
珍しく映画出演している菅野美穂も若い
レンタルで準新作になってから借りて以来2度目の鑑賞
『マークスの山』もいまいちだった
この作家は本当に面白いのかと疑う
『長崎ぶらぶら節』を借りようと思ったが貸出中なのでこっちを借りた
出演陣は割と豪華な顔ぶれ
名脇役の宝石箱
好きな役者の芝居を楽しむことを一番の目的にしている大衆的な僕のような映画ファンならそこそこ楽しめるかもしれない
そうじゃない人には時間の無駄で地獄になるだろう
おすすめできない
内容は重く暗い
映像自体暗い印象もあった
一切の明るさを排除してしまった作品
重厚のようだが噛んでも噛んでも味が薄い
薄っぺらい左翼臭プンプンの陰鬱映画
左翼だからダメというわけではないがなにかが違う
いまどき部落差別絡めてもピンとこない
塞がりかけた傷をかきむしる行為に意味がない
公開当時としてもずれていた
どうせやるならもっと掘り下げてピンポイントで深い愛がないといけない
週刊朝日のような行為が一番最悪だ
朝鮮人もねじ込んできたのは欲張りさんで完全な蛇足
監督や脚本家が悪かったのかも知れないがそれよりも企画段階で問題があったのでは
映画化に向いていない作品だったのかもしれない
ミステリーがすごいで映画化になったものは失敗作が多いような印象があるが気のせいか
ドラマ版は好評のようだ
2時間では収まりきれなかったようだ
日活さんとして気合が入った大作だったのかもしれないが空回りな残念賞
ミステリーとかサスペンスはもっと軽い気持ちで肩の力を抜いてサクッと制作するべきだろう
やっぱり渡さんの代表作は西部警察と生ダラのドッキリだと僕は思う
徳重くんは渡さんのバーターかな
あと加藤晴彦って最近見ないなあ
どうしちゃったのかな
日活撮影所創業50周年記念映画らしいが、所縁の人が少ないのはこれいかに
高村薫の原作は未読だか、結構な長編の様子なので、どうしても省略された部分が、なんとなくわかってしまうダイジェスト感があり、サスペンスは弱めだと思うが、役者のアンサンブル的演技で、あまり気にならない位に、見事な群像劇になっている。
渡哲也兄貴の円熟した演技と存在感がホントにいい。加藤晴彦(好演!)との擬似的な親子関係などもドラマに厚みを与えていると思う。
日活撮影所創業50周年記念映画で渡哲也の映画主演作なので、個人的にはもっと当時存命の日活出身の俳優さんが出てくると期待したが、色々問題があるのか姿が見えずに、そこの面で寂しさを感じた。
そういえば、日活創立80周年記念映画で「落陽」てのも有ったが、あれも混迷した作品で馴染みのない人が多く関わっている印象だった。
うーん☹️
原作が上中下、3冊の長編、それを121分にするのはやはり無理がある。5人の犯人が犯行に至った経緯や感情があまり描かれていないし、合田の描写も少なすぎ。渡哲也はとてもいい俳優だけれど、物井清三はもう少し疲れた感のあるオヤジくさい方が良かったかも。
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