バーバー吉野

劇場公開日:

解説

少年はみな同じ髪型にしなければならないと言う町の伝統に、反旗を翻した少年たちの冒険を描いた思春期ドラマ。監督・脚本は、本作で長篇デビューを飾ったPFF出身の荻上直子。撮影を「星に願いを。」の上野彰吾が担当している。主演は「ミスター・ルーキー」の米田良。第54回ベルリン国際映画祭キンダー・フィルム・フェスティバル スペシャルメンション授与、第16回東京国際映画祭ニッポン・シネマ・フォーラム メディア・セレクション出品、第13回PFFスカラシップ作品。

2003年製作/96分/日本
配給:ユーロスペース
劇場公開日:2004年4月10日

ストーリー

古くからの習わしにより、少年全員が同じ“吉野ガリ”なるマッシュルーム・カットにさせられている田舎町。その散髪を一手に引き受けているのが、町で唯一の床屋である“バーバー吉野”のおばちゃんこと吉野良子。吉野ガリの伝道師である彼女は、町の子供たちの行動にも常に目を光らせている。そんな彼女の息子で小学生の慶太のクラスに、ある日、東京からの転校生・坂上くんがやって来た。町の伝統に異議を唱え、自分のヘアスタイルを貫き通す坂上くん。彼と親しくなった慶太とその仲間であるヤジ、カワチン、グッチは、次第に彼に感化されていくのだが、それに気づいたおばちゃんによって、坂上くんも吉野ガリにされてしまう。そこで、彼らは脱・吉野ガリを宣言。祭りの日、町の人たちの前で髪型の自由を訴えると、果たして他の少年たちもそれに賛同する声をあげてくれた。しかし、慶太の胸中は複雑だった。「吉野ガリはまっぴらだけど、お母さんがみんなの敵になるのも嫌だ!」 翌日、5人の願いは通じ、吉野ガリは廃止されることとなった。そして、一度は淋しい思いをしたおばちゃんも、今は元気に町の人の髪を切り続けている。

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映画レビュー

3.5―PFFスカラシップから羽ばたいた才能たち―①の1

2023年9月28日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

『川っぺりのムコリッタ』との二本立て。
荻上直子監督と天野真弓プロデューサーのトークショー付き。

『かもめ食堂』で名を広めた荻上直子監督の、長編劇場デビュー作品であり、第13回PFFスカラシップ作品。
PFF (ぴあフィルムフェスティバル)スカラシップという制度があることを、この企画で知りました。
映画版スター誕生みたいですね。

トークによると、監督が最初に持ってきた作品はこれではなかったそうで、審査員達は全くの無反応だったそう。その中の1人だった天野真弓プロデューサーは、初めて観た荻上作品『星ノくん・夢ノくん 』(2001)がとても印象深かったので「なんか他に無いの?」と問いかけたところ、「実は、床屋のおばちゃんがいて、男の子達がみんな同じ髪型で…」と、なったら、審査員の顔がワッと上がって、「それいいじゃん!」と『バーバー吉野』が採用されたそうです。

*****

公開当時、かなり印象的なポスターで、面白そうと思いながら見逃していました。

子供たちがかわいいです。
ちょこちょこ性の芽生えというか、ちょいエロが挟まります。
男子は本当にこうなのか、監督がイメージする男子像がこうなだけなのか。
男子の意見が聞きたいところ。
絵に描いたようなエロ本を久しぶりに見ました。
よく学校の帰り道に落ちてましたよね。
あれは、大人のイタズラですか?

もたいまさこさんはうますぎてホラーでした(笑)
この映画を通じて、村社会、慣習制度をバッサリとしたかったのかしら?監督自身、スタンドバイミーも大好きだそうですが、ぼくらの七日間戦争に通じる感じもしました。

トークショーによると、たった2週間で撮影したそうです(子供達を拘束できるのが春休みの間だけで、予算も少ないため)!

荻上監督はもともと写真専攻だったそうで、上手い人が多すぎるから映画にしよ、と渡米してしまったのだそう。
フットワーク軽い!
6年間アメリカで過ごしたことで、日本を客観的に見られる時間が出来たのは大きなことだったようです。

ピンクのタオルを干してるシーンとか、吉野刈りの少年達が聖歌隊衣装(床屋マント?)でハレルヤとか、お花畑を歩くシーンとか、色合いがかわいくて絵になります。

静岡の伊豆下田などで撮影したそうですが、最後のお祭りのシーンは雨が降って1日延期したものの、翌日も雨で、決行したそう。子供達は修学旅行状態で、夜興奮して寝ないから、撮影中に眠くなってしまったりもあったそう。そういう裏話を聞くと、また印象が変わってきますね。

あぁ〜もたいさん、タオルの扱いや、柿ピーの使い方も怖かったなぁ。
潔癖症ではないけどザワザワする(笑)

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osinco

3.5センスいいなぁ

2023年8月4日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

もたいまさこの感情溢れる演技、レアだな笑
確か一時期はやったなぁ、この髪型。何が流行るかわからない現代。ラストにオチみたいな感じでTV流れるけど、あながち間違っちゃいない。でもやはりこの町の吉野狩りの伝統は可笑しい。ある意味洗脳。それに意を唱える転校生、カッコ良すぎる笑
深く考えすぎなのか、町にいる変なおじさんと聖歌の関連性がよくわからず。

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いつこ

4.0ばかな

2023年7月30日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

大人の言うことなんか聞くんじゃないぞ。ケケおじさんは核心をつく。お前、お金がなくても、しあわせだろ、とも。昔のあたりまえ、も今考えるとおかしいことばかり。何か理由があった、のかもしれないけれど。大事なのは「見た目」ではないんだけれど。「みんな同じ」でいいのかな?色んな「新しい世界」との出会い、好奇心と戸惑い。「ぼくもホントはイヤだった!」その大合唱に「クソババア!」と叫んでいた息子が思わず涙してしまう素直さ。そこには、反抗しつつも根底の愛情が、親子で共にあった。伝統が伝説になる。時代の流れも人がつくる。でも店を手伝うようになったとうちゃんの髪型は、相変わらず、なのも、また愛情。あっぱれ、吉野ヶ里、遺跡。

波紋→川っぺり、からの監督めぐり、3作目。コメディタッチでありながら、何かを問いてくる。美しい風景と心地よい音楽。20年前から凄い人だった!

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she'lly

3.5吉野刈り

2023年7月26日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

悲しい

楽しい

この田舎では小学生の男子はみんな、バーバー吉野で頭を吉野刈りにするのが慣わしだった。
転校生が入ってきて反発するが、無駄な抵抗だった。
この散髪屋の息子がリーダーとなって、吉野刈り反対の狼煙を上げるが・・・。
日本を象徴する同調圧力をコメディタッチで描いた佳作だと思う。

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いやよセブン

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