赤い月

劇場公開日:

解説

激動の時代の満州を舞台に、愛を求め生き抜いた女の姿を描いたドラマ。監督は「ホタル」の降旗康男。なかにし礼の同名小説を基に、「MISTY」の井上由美子と降旗監督が共同で脚色。撮影を「陽はまた昇る」の木村大作が担当している。主演は「千年の恋 ひかる源氏物語」の常盤貴子。

2003年製作/111分/PG12/日本
配給:東宝
劇場公開日:2004年2月7日

ストーリー

1934年2月、夫・勇太郎と子供たちと共に満州・牡丹江に渡った森田波子。それから10年、勇太郎はかつて恋敵だった陸軍中佐・大杉の庇護の下、森田酒造を成功させていたが、その裏で大杉と波子の不義を黙認していた。そんなある日、長男・一男の帰郷を祝う宴席で、波子は商社員・氷室と出会う。実は、彼の正体は関東陸軍秘密情報機関の諜報員。ロシア人男性・ピョトールをスパイとして利用すべく、人質に取った彼の娘・エレナを森田家に家庭教師として寄宿させ監視する役目を負っていた。しかし彼の素性を知らない波子は、いつしか彼と愛し合うようになっていたエレナに嫉妬し、エレナを奸計に陥れ氷室に彼女の首を撃たせてしまう。その後、勇太郎の留守中に戦況は悪化。「生きたい、生きて子供たちを生かしたい」と願う波子は、利己主義となじられながらも氷室に願い入れ軍用列車への乗車を許される。そして、子供たちを連れて哈爾浜へと辿り着いた彼女は、そこで勇太郎と再会するも、彼はひとり日本男児として生きる道を選ぶのであった。数ヶ月後、煙草売りとして生計を立てていた波子は、鄒琳祥と言う男から強制労働にかり出された夫の死と同時に、氷室の行方を知らされる。牡丹江から逃げ延びた氷室は、途中で足を撃たれ、鎮静剤として阿片と吸ううち、その虜となっていた。阿片を断ち切らせ、氷室に生きて欲しい。そう強く思った波子は、氷室を自分のアパートに連れ帰り必死に看病。やがて、氷室は立ち直り、ふたりは愛し合うまでになる。その時、日本への引き揚げ船出航の報せが届いた。だが、氷室は中国に残り、自らの罪を償うと言う。波子は、彼の帰りを日本で待つことを約束すると、港へ向かう汽車に子供たちと乗るのであった。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

監督
脚色
井上由美子
降旗康男
原作
なかにし礼
製作統括
島谷能成
平井文宏
森隆一
高原建二
石黒堯
古屋文明
細野義朗
製作
富山省吾
プロデューサー
史杰
山田健一
協力プロデューサー
金志強
和田康作
森知貴秀
制作
張冬明
利瑞春
張大民
趙俊芝
符立濱
張慶余
ハー・パン
黄衍力
撮影者
木村大作
撮影補
山田健一
高田勉
美術
福澤勝広
美術補
新田隆之
美術デザイン
瀬下幸治
熊朝印
装飾
若松孝市
音楽
朝川朋之
音楽プロデューサー
北原京子
録音
紅谷愃一
音響効果
斎藤昌利
照明
渡辺三雄
編集
川島章正
衣裳
川崎健二
高知尾博幸
鄭春薇
石宏萌
衣裳コーディネート
宮本まさ江
長岡志寿
製作担当者
金澤清美
助監督
宮村敏正
スクリプター
石山久美子
スチール
大木茂
殺陣
中瀬博文
題字
福山小夜
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受賞歴

第28回 日本アカデミー賞(2005年)

ノミネート

主演女優賞 常盤貴子
助演男優賞 香川照之
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映画レビュー

3.0微妙

2018年10月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

難しい

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kossy

3.0激動を生き抜く一人の女

2016年6月12日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

知的

常盤貴子演じる美しきモガ、波子。
一人の『女』として戦前戦後の満州を力強く生きる姿は、自由奔放であり、必死でもある。

映像はモノクロ×カラー。
演出や音楽も、古い映画のような仕上がりになっており、とても素敵だ。
恐ろしいシーンも描かれているが、テンポが良いので観やすい。

また、なかにし礼の自叙伝的ストーリーだと後から知った。
きっと、観る世代によって共感の度合いもだいぶ違うだろう。

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Arco
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