アイノカラダ

劇場公開日:

解説

本作が初監督となる村上なほは、女優ひとりひとりに自分自身のことを綴らせ、彼女たちから引きだしたエピソードと監督自身の過去の経験を織り交ぜて「リアルな女性」の物語を構築。生きることに迷いながらも自分を見出そうとする6人の女性を軸に、5つのストーリーから成るオムニバス・ドラマ。

2003年製作/日本
配給:SPACE SHOWER PICTURES、スローラーナー
劇場公開日:2003年9月27日

ストーリー

『Find‐er』カメラマンのミズキ(菅野美寿紀)は戸惑っていた。それは、取材に訪れた画廊のオーナー(夏八木勲)に、今、自分が抱えている“思い”を言い当てられてしまったからかもしれない。オーナーは、次の取材までにシャッターを切るのにふさわしい瞬間を撮ってこれたら、この画廊に展示しようと言う。しかし、ミズキは何にカメラを向けてもシャッターを押せない……。『錆びた指紋』キヨリ(宮前希依)は、不動産会社に勤めている。三ヶ月空家になったままのマンションの部屋にお客を案内したのだが、また契約が取れなかった。その部屋のベランダには、干涸びた金魚の死体があった。キヨリの手には無数の自傷の傷跡がある。いつしか、空家のままになったマンションの部屋は、彼女の隠れ家になっていた。だから、入居を申し込む人には、「今別の手付けが入った」と断ってきたし、干涸びた金魚もそのままにしておいたのだ。ところが、新しいお客の萩原(成宮寛貴)は、「わざわざ残しておいたんですよね」と言い当てる……。『耳鳴りのカケラ』30才を目前にしたメグミ(きいちめぐみ)は、長年芸能界で生きてきた。今もプロデューサーに媚びて、役を貰ったところだった。だがマネージャーの修二(戸田昌宏)は言う。「毎日鏡見てて、自分が見えてないのか。ダイエットし過ぎて、顔つきは幽霊そのもの。点滴打ち過ぎて腕は穴だらけじゃないか」。絆創膏が貼られたメグミの左腕。黒ずんだ点滴の跡。蒼白な顔。「何が女優だ。笑わせんな!」修二は、そう叫んだ後、何を言っても返事のないメグミの様子を見に、彼女が化粧をしているはずのトイレに入ったが……。『香ばしい雫』ダンサーのサオリ(北川さおり)は、酒も強いし、貯金もあるし、友人たちからは<強い女>で通っている。でも、彼女にも悩みがないわけではない。ふと眼にした雑誌で、かつてのダンスの生徒ハルカが、ソリストとして評価されている。追い出した男は帰ってきた。「話せるなら俺に話してみなよ」と男は妙に優しいことを言う。「いいの。全然大したことじゃないから」。遠い目をしてサオリは呟いた……。『光の舌触り』恋人同士のミノリ(佐藤美乃利)とカオリ(小野香織)は、一緒に暮らしている。スポンサーの援助で陸上競技の選手を続けているミノリは、自分たちのことが知られてしまうのを恐れ、ひそかに家を出ようとしていた。カオリはそのことに感づいていた。冷蔵庫には、二人の写真が貼ってある。カメラを自分たちに向けてシャッターを押したから、どの写真もピントがずれたり、ハレーションをおこしたりしている。あたしたちのこと、ほんとに知られちゃまずいことなのかな、と嘆くカオリ。すれ違っていく二人の想いは、何処に向かうのか……。

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