見たい度推移(赤線は公開日)


九州の地方都市でバスジャック事件が発生し、運転手の沢井、小中学生の兄妹、直樹と梢だけが生き残る。その2年後、町に戻ってきた沢井は、兄妹と彼らの従兄である秋彦とともに共同生活を始める。しかし地元を騒がせる連続殺人事件の容疑が沢井に向けられ、彼ら4人はバスに乗って町を旅立つのだった……。モノクロ、シネマスコープ、上映時間3時間37分という商業性を度外視したフォーマットによる青山真治の長編第7作。バスジャック事件の悪夢から逃れられない人々の旅を通して、彼らの心の再生を描くと同時に生きることの意味を探求していく。本作で採用されたクロマティックB&Wという特殊なモノクロ映像は、白黒のネガフィルムをカラーポジにプリントしたもの。田村正毅のカメラによる北九州の荒涼とした風景が、登場人物の壮絶な内面的葛藤と呼応し、観る者を混沌とした精神世界へと引き入れる。奇しくも映画完成後に現実のバスジャック事件が発生し、本作が注目を浴びる一つのきっかけとなった。ラストの一部はカラーになっている。




