若の花物語 土俵の鬼

劇場公開日:

解説

当代随一の人気力士大関若の花の劇的な半生をそのまま映画化する、苦難と努力の物語。菊島隆三の原作を松下東雄が脚色、「若いお巡りさん」の森永健次郎が監督、伊勢寅彦が協力した。撮影は「若いお巡りさん」の山崎安一郎。主な出演者は若の花自身、主演するほか、「感傷夫人」の北原三枝、「牛乳屋フランキー」の澤村國太郎、「若いお巡りさん」の坂東好太郎、その他、青山恭二、衣笠一夫、新井麗子、高友子。特別出演として志村正順と若緑など。

1956年製作/84分/日本
配給:日活
劇場公開日:1956年12月26日

ストーリー

昭和二十一年、北海道室蘭市で沖仲士をしていた花田勝治は、二所ノ関部屋の大ノ海に見込まれ相撲界に入った。一家の大黒柱である勝治は七人の弟妹を抱え一たんは断ったのだが、母きえの理解は遂に勝治の希望を満した。二所ノ関部屋の稽古は凄じかったが、若ノ花の四股名を貰った勝治は精進を続け、二十五年には早くも入幕、初場所で敢闘賞を得た。その頃、大ノ海は独立して花籠部屋を設立したが、ある日、若ノ花は大ノ海の泊っている峰ノ越旅館を訪れ、そこで峰ノ越未亡人の姪香代子と知り合った。やがて二人は皆の祝福のうちに結婚、その後も若ノ花は躍進を続け、二十九年関脇、三十一年大関、その夏場所には宿願の優勝杯を手にした。香代子との間に一子勝雄をもうけ、若ノ花は幸福の絶頂にあった。ところが、勝雄が不意の事故で死んだ。愛児の死は若ノ花に大きな打撃を与えた。絶望の若ノ花は秋場所を前に、家に閉じこもり珠数を首に瞑目を続け、土俵に上る気もないようであった。遂に初日が来た。仏壇の前に坐り込んだ若ノ花の前には、ファンの激励の手紙が山と積まれていた。その中に、ふと若ノ花は、苦労を共にした相弟子の横手山の手紙を見つけた。封を切ると中から横手山の子供の手紙が現れた。「勝雄ちゃんのお父さん必ず勝って下さい」という、たどたどしい手紙に若ノ花は敢然立上った。土俵に上った若ノ花の働きは目覚しく、連日白星を重ねた。だが十三勝をあげ横綱を目前にした若ノ花に再び悲運が見まい、彼は高熱に倒れた。大ノ海は涙を呑んで休場届を出した。数日後、活気の溢れる花籠部屋に、若ノ花は力強く四股を踏む。顔に来場所への闘志を漲らせて……。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

映画レビュー

映画レビュー募集中!

この作品にレビューはまだ投稿されていません。
皆さまのレビューをお待ちしています。
みんなに感想を伝えましょう!

レビューを書く

他のユーザーは「若の花物語 土俵の鬼」以外にこんな作品をCheck-inしています。