若い人(1962)

劇場公開日:

解説

石坂洋次郎原作を「草を刈る娘」のコンビ三木克巳が脚色、西河克己が監督した青春ドラマ。撮影は「事件記者 拳銃貸します」の萩原憲治。

1962年製作/90分/日本
原題:Flesh Leaves
配給:日活
劇場公開日:1962年10月6日

ストーリー

青い空とそれよりももっと青い南の海につつまれたこの町の女学校は、今日も若い娘たちの歓声でわきかえっている。新人教師間崎は全校中の人気のまとだったが、生徒の中に一人かわった娘がいた。江波恵子、頭がよく美人で、勉強ができるくせにわざとしないでいる妙にひねくれたところがある。年若い女教師の橋本スミ子は、間崎のおうようさと、やさしさが恵子の心を救えるのではないかと考えていた。それは、恵子の大胆な作文から私生児である彼女がさまざまな悩みの末、大きな男の愛に飢えていることを知ったからだ。恵子の母親ハツは不幸な女だった。若い時には生活苦のため何人もの男に近づき、いまでも場末のいかがわしい所で飲み屋をやっていた。そのハツを連れて間崎の下宿を訪れた恵子は「橋本先生は私を嫌ってるの、だからきっと間崎先生が好きなのよ」と真面目くさっていうのだった。修学旅行の日が来た。東京最後の夜、行方不明になった恵子を、間崎はやっと見つけ出した。「先生、好き、このままどこかへ行っちゃおう……」ひたむきな顔でじっと間崎を見あげた恵子は駄々っ子のように泣きじゃくった。こんなことがいつの間にか“恵子が妊娠した”といいふらされてしまった。間崎に対するスミ子の態度は冷たかったが、あるとき「いま、先生を必要なのは江波さんです」というのだった。“俺が本当に愛しているのはこの人だ”間崎ははっきりと自分の愛を知った。と同時に、その言葉の裏に秘められたはげしいスミ子の愛の炎も感じとっていた。ある夜、決心した間崎はハツの飲み屋をたずねて行った。大喜びで迎えた恵子だったが、喧嘩の仲裁に入った間崎はケガをしてしまった。翌朝急を聞いてかけつけたスミ子に、ハツはわざとらしく恵子の介抱ぶりをいいふらし、たまらなくなったスミ子は早々に立ち去った。学校に向かう間崎を送ってきた恵子は「先生、橋本先生と結婚なさい」といい放って、来た道をスタスタと戻っていった。それを見送りながら間崎は恵子の将来を憂慮しつつも己が道を歩もうと決意するのだった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

2.5三大スター共演が魅力も役柄が嵌らず、内容も制作時の背景と合わない

2020年10月28日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

石坂洋次郎の出世作で戦前戦後併せて4回映画化された原作の3作品目。小説では函館のミッションスクール遺愛女学校をモデルにしたのを長崎の女子高校に変えて、開放的な雰囲気の中、恋愛に悩む青春ドラマの日活映画らしい作品になっている。主題歌を爽やかに歌う石原裕次郎、教師役の一寸背伸びした浅丘ルリ子、物怖じしない多感な少女役の吉永小百合の三大スター共演が何より見所で、内容が二の次になっている。教師と生徒によくある三角関係が大筋の話と、男にだらしない飲み屋の女将江波ハツの女性の生き方や立場が戦前の世相を反映したままで、父親を知らない娘恵子の苦悩と反発が物語を進めるが、戦争を挟んで25年の時代変化を消化した脚色の良さが見つからない。
それが結局キャスティングに及び、煮え切らない数学教師間崎の役は、彼自身のモノローグで理解できるのだが裕次郎の良さとは違うし、反対に浅丘ルリ子の女教師橋本は何を考えどうしたいのか曖昧で、彼女の魅力を引き出す役柄になっていない。江波ハツ役の三浦充子の演技も精彩を欠く。唯一、吉永小百合演じる女子高校生恵子の、繊細な神経ゆえ年頃の女性が抱える生き辛さのみ伝わる。
モノローグと語り過ぎる台詞の説明的な映画の面白さがない訳ではないが、ならばもっと振り切ったなら良かったのではと思わせる。

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Gustav

2.5吉名小百合と浅丘ルリ子に好かれるうらやましい数学教師

2020年10月4日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

石原裕次郎扮する数学教師間崎慎太郎は、教師になって3年目。いきなり試験用紙を配ったところ、吉永小百合扮する女子高生江波恵子が遅刻してきた。浅丘ルリ子扮する歴史教師橋本スミ子と一緒に帰りながら江波恵子の事を話したところ、橋本は江波が慎太郎の事を好きなのではないかと言った。橋本が慎太郎に渡した江波の作文によると、江波の母は娼婦で父無し子であった。突然、江波が母親と慎太郎をジャーマンシューズを土産に持って訪ねて来た。恵子は、母親を追い払い張り切っていた。恵子は、慎太郎が橋本先生が好きだと思っていると言ったら橋本先生が慎太郎を訪ねて来たので恵子は隠れた。たまらず慎太郎は橋本先生を喫茶店に連れ出した。それにしても吉永小百合が光ってるね。さらに浅丘ルリ子がそばにいたらたまったもんじゃないね。

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重

3.0大坂志郎が熱い!

2020年9月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

2020年9月30日

映画 #若い人 (1962年)鑑賞

#吉永小百合 の魅力がムンムンです
高校生役なんですがムンムンです
#石原裕次郎 はどこまでも爽やかな先生です
#大坂志郎 と #三﨑千恵子 の夫婦の掛け合いがよかった
#浅丘ルリ子 はふっくらしてていいですね
#北村和夫 がワイルドで気づかなかった

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とし

4.0あくまで清く正しくで終わります

2020年6月24日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

原作は石坂洋次郎
青い山脈の方が今では有名です
原作では先生と恵子は喧嘩の仲裁に入って怪我をして寝込んだ時に結ばれてしまいますが、本作はそうはなりません
あくまで清く正しくで終わります

吉永小百合17歳
浅丘ルリ子22歳
石原裕次郎28歳
この3人を観ているだけも十分に楽しめます

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