見たい度推移(赤線は公開日)


庵野秀明が、初めて実写映画に挑戦。村上龍の小説を原作に、大胆な手法で迫っている。主人公は、16歳の吉井裕美。彼女は、トパーズ・リングに一目惚れする。その日、その店の閉店時間、午後9時までにどうしてもその指輪が欲しい。この“リアル”な気持ちがなくなる前に、リングを手に入れよう。“援助交際”を購入資金調達の手段に選んだ裕美は、様々な男性たちと出会い時を過ごしていく。全編を軽量ビデオカメラで撮影。渋谷の街が、ルポルタージュのように切り取られていく様は、庵野監督らしい編集の妙味。しかし、本作の見どころはビデオならではの映像の質感にある。客観性を排した、ゆがんだカメラアングル。そこには、従来の映画が求めてきた“奥行き”が完全に失われており、奇妙に背景を欠いた“生きることの実感”の薄さが、映像化されているようだ。また、ドキュメント班にはAV界の雄であり、デジカムの名手であるカンパニー松尾監督が参加。カメラを媒介に“世界”と触れ合ってきた二人の個人作家を起用した繊細なセンスも見逃せない。




