母と拳銃

劇場公開日:

解説

竹内てる代の『母この最後なるもの』の映画化で、十七年ぶりにわが子にめぐり逢った母親が、子をやくざ一味から救い出すという物語。「都会という港」の舟橋和郎と「波止場がらす」の森田新が共同で脚色、「地獄の午前二時」の関川秀雄が監督した。撮影は「波止場がらす」の福島宏。「夜霧の南京街」の中村賀津雄・佐久間良子、「眠狂四郎無頼控 魔剣地獄」の木暮実千代、大村文武・二本柳寛などが出演。

1958年製作/81分/日本
原題:Mother and Gun
劇場公開日:1958年11月19日

ストーリー

女流デザイナー・山内つる代は、その手腕と才能をもって斬新なアイデアを発表、服飾界を驚歎させ、戦後のファッション界に君臨していた。しかし、このつる代には消し難い一つの哀しみがあった。それは愛児真一のことである。戦争、最後の交換船がつる代と愛する夫と子供との仲を裂いてしまったのだ。それから十七年--美しい七色の光彩にいろどられた「新作発表会」も終ろうとした時、つる代は記者団から意外なことを聞かされた。真一が生きている、しかも少年刑務所で五年の刑に服していると……。つる代はかつての夫、戸田をたずねた。しかし十七年の歳月は、戸田をすっかり変えていた。この父への不信、継母の康子への反撥から真一は自ら不良の仲間へ転落したという。今や母性愛に目ざめたつる代は、出所した真一を迎えた。真一もまたこの母の愛に素直さをとりもどしつつあった。しかし、ふとしたことから暴力団の勝山と知り合った真一は、ふたたびやくざ仲間とつき合い、荒んだ毎日を送るのだった。つる代は心から悲しんだがどうすることも出来なかった。そうしたある日、真一はかおりという可憐な娘を知った。レストランに勤めるかおりと真一はいつしか愛し合うようになった。愛に目ざめた真一は、ふたたびやくざ仲間から抜け出そうとした。しかし、勝山たちは真一の過去の弱味につけ込んで容易に抜けさせようとはしなかった。それどころか、強盗の一味に引きずり込んだ。強いられるまま来た所は、なんと母の店だった。「俺は嫌だッ」と絶叫する真一を尻目に、勝山は三百万円をボストンに詰め、自動車に乗った。しかし、真一はボストンを奪うと車から転り出た。血みどろになりながらも、つる代の所に帰って来た。罪を清算すべくひかれて行く真一のうしろ姿を、つる代とかおりはしっかりと手を握り合いながら見送っていた。

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