劇場公開日 1974年10月9日

「新太郎と健」無宿<やどなし> 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0新太郎と健

2017年3月31日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

興奮

これが唯一の共演となる高倉健と勝新太郎。
ロベール・アンリコの「冒険者たち」をベースに、刑務所で出会った二人の男が海底に眠るお宝を求めて…というもの。
あらすじだけ見ると冒険活劇な感じだが、昭和のコテコテの任侠もしくはアウトロー物の延長線上。
共演と謳っておきながら、顔合わせシーンは思ってたより少なく、それぞれ話が別に展開し、顔を合わせるのは劇中度々と最後くらい。
だから、二人ががっつり組んだバディ娯楽ムービーを期待すると、ちょっと肩透かしを食らうかもしれない。
二人共大スターでありながら性格は真逆な為、ウマが合わず、顔合わせは少なかったのかな?…と、つい勘ぐってしまう。
しかしながら、二大スターのイメージや魅力は存分に活かされている。

勝プロダクション作品故、クレジットは勝新太郎が先、高倉健はトメ。
生年もデビュー年もほぼほぼ同じながら、カッコいい役所や美味しい役所は高倉健の方に。
勝新太郎はイメージそのままの、豪快でやんちゃで何処か憎めない、夢想家の男。
高倉健は着流し姿でかつて多く出演した任侠映画でのイメージそのままの寡黙な侠道。
確かに共演シーンは少ないが、それぞれの魅力は活かしたスター映画の要素はしっかり抑えている。

人となりも役者人生もまるで違う。
でも、共通しているのは、
二人共、惚れ惚れする銀幕大スターであるという事。

近大