劇場公開日 1991年11月2日

無能の人のレビュー・感想・評価

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5.0うまくいかない男の夢想と優しい家族

2021年6月27日
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怪優怪演の見せ場のある反面、話自体は原作に沿って地味に淡々と進んでいきます。
観ていてカタルシスは得にくい映画ですが竹中直人監督がパンフで引用していた川島雄三監督の「生きていくことは恥ずかしいことです」という言葉の雰囲気が色濃く出ていて主人公の人生の選択の妙なズレやうまくいかない残念さにこちらも引き込まれ、もやもやします。
主人公の夢想シーンなど詩的で美しい場面でした。またなかなかうまくいかない主人公を支える奥さん役の風吹ジュンさんもとても素敵に見えます。
こうしてこの家族は宇宙の片隅でとぼとぼ生きていくのかと不思議な感覚で鑑賞できる映画でした。
冒頭部に原作者がぽつっと映っていてそれもまた面白く感じました。

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プンゲンストウヒ