娘十六ジャズ祭

劇場公開日:

解説

「青春ジャズ娘」につづく新東宝のジャズ物第二作。「半処女」の赤坂長義と「若さま侍捕物帳 恐怖の折り鶴」の京中太郎の脚本によって、「わが恋はリラの木蔭に」の井上梅次が監督した。撮影は「一等女房と三等亭主」の岩左一泉、音楽は「にっぽん製」の大森盛太郎である。ジャズの少女歌手雪村いづみ(ビクター)を中心に、「青春ジャズ娘」の片山明彦、高島忠夫、フランキー堺(シックス・シモンズ)、新倉美子、「憧れの星座」の高田稔、「北海の虎」の植村謙二郎、「一等女房と三等亭主」の大谷伶子、「東京マダムと大阪夫人」の丹下キヨ子、「女の一生(1953)」の清川玉枝などの他、古川緑波、清水金一(シミキン)、柳家金語楼、三木のり平等ショウ・マンが協力している。出演バンドは、多忠修とビクター・オールスターズ、与田輝雄とシックス・レモンズなど。

1954年製作/92分/日本
劇場公開日:1954年1月9日

ストーリー

あるキャバレーのジャズ・バンドのメンバー三田、新井、松本と歌手の美智子の四人組は、一人の浮浪少年を拾う。埃と垢にまみれた少年と思ったのは、じつは青木みゆきという身寄りのない少女、かつてじぶんたちも浮浪児だった四人は、他人事におもえず、彼らの育ての親、一つのアパートに水入らずで住む二宮に引取ってもらう。昔鳴らしたオペラの指揮者、いまは落ちぶれても心暖い二宮は、彼女を養女にし女学校に入れてやる。ジャズ好きの彼女は音楽の時間にジャズを歌って、校長や古典派の三宅教師を驚かせた。受持の岸先生の弁護はあったものの、それは問題化した。学校から呼び出しをうけた二宮に叱られ、みゆきは再び街にさまよい出る。一方、美智子をめぐる与太者との対立、大乱闘からキャバレーを首切られた四人組は、悄然かえるその途次、みゆきを発見してつれかえる。二宮は大喜びでむかえた。失業した四人組はじぶん達の新バンド「サンズ・アンド・ドウターズ」を結成して売りだそうとするが、それには有力なプロデューサーが必要、しかしみゆきがかつてスリの盗難を教えてやった縁で芸能界の大プロデューサー大川氏に頼みにゆく。みゆきの天分に感じていた大川は、彼女の参加を条件に契約を承諾する。そうこうするうち、みゆきが大川氏の実の娘であることが判明した。若い者たちの発溂さにひきかえ、昔にかわる我が身の老いをかこっていた矢先き、今は実の娘同様に愛しているみゆきをも大川氏に奪われて、二宮はすっかり落胆してしまった。教職を退いて参加した岸先生を加えた四人組は、必死の練習をはじめる。仕事に追われる大川宅で孤独をかんじたみゆきは、ある夜二宮のアパートに帰ってくるが、彼は留守だった。寂しさに耐えかねて、ひとり街に酒を酌みにでかけたのである。そんな老音楽家の姿を探しだした若い仲間は、彼らがよいよデビューする新春ジャズ祭のステージにいざなう。しかし、彼は若い教え子と可愛いいみゆきの前途を祝して、さびしく微笑して身を引いた。

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