ほらふき丹次

劇場公開日:

解説

五年前『文芸春秋』に掲載された寒川光太郎の小説を、藤田進が彼個人で映画化権を譲りうけ、「銭形平次捕物控 金色の狼」の八木隆一郎の脚色、「石中先生行状記 青春無銭旅行」の中川信夫の演出で映画化する。「関八州勢揃い」の河崎喜久三が撮影を、「学生五人男」の小杉太一郎が音楽を夫々担当。出演者は「日本敗れず」の藤田進が年来の願望を果して主役を演ずるほか、「宮本武蔵(1954)」の小沢栄、「愛と死の谷間」の安西郷子、それに水村国臣、稲葉義男、東野英治郎、永田靖など。

1954年製作/77分/日本
劇場公開日:1954年12月7日

ストーリー

数羽の獲物を古風な鉄砲の先にぶら下げて、バラック小屋に帰ってきた猟師の豊吉が、そこにひそんでいた獄衣の男に殺された。暫くたつと、この男は豊吉の仕事着と帽子を身につけ、鉄砲を片手に外へ出た。そこへほら吹き丹次が伜の金助を愛馬ゴン太の背に乗せてやってきた。この男は丹次に鉄砲をつきつけてゴン太を奪いとって逃げたが、ゴン太にふり落されて気絶している間に、丹次にしばり上げられてしまった。この男は監獄破りの前科十二犯で豊吉殺しの犯人と分り、ほら吹き丹次の名があがった。扨、豊吉のお通夜に、集落の人達は娘はつ子の身の振り方を協議したが、当人の希望によって丹次が引きとって生活することになった。犯人の持っていた鉄砲を、巡査には渡さず秘かに持っていた丹次は、それで獲物があったら金助とはつ子に何か買ってやるのを楽しみにしていたが、さっぱり当らない。ある日ゴン太を連れて町へ出た丹次は、小料理屋の女に引っぱられ無理に飲まされた挙句勘定が足らず、ゴン太をカタにとられて悄然と帰ってきた。翌朝駐在所に呼ばれた丹次は、又叱られるのかと頭を下げたが、殺人犯人をつかまえた金一封を渡すためだったのだ。開墾集落のお祭に丹次は二人の子供に着物や帽子を買ってやって得意だった。やがて道路工事のために、毛利という男が資金をチョロまかすために悪計を企み、丹次は憤慨して食ってかかったが土方にたたきのめされてしまった。数日後、川岸で洗濯していたはつ子は、毛利のために犯されて投身した。怒髪天をついた丹次は格闘の末毛利を殺した。狂気の如く暴れ廻る丹次は、金助の声に心ひかれて逃走したが、池谷巡査は涙の中に銃口をむけた。

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