水郷哀話 娘船頭さん

劇場公開日:

解説

「若旦那と踊子」の伏見晁が脚本を執筆、短篇映画「娘の晴着」を発表した萩原徳三が第一回長篇作品としてメガフォンをとる。撮影は「おとこ大学 新婚教室」の厚田雄春、音楽は「あなたと共に」の池田正義が担当する。出演者は「七変化狸御殿」の美空ひばり、「ママ横をむいてて」の石浜朗、「この世の花」の片山明彦、「あなたと共に」の御園裕子、「八州遊侠伝 白鷺三味線」の市川小太夫、「おふくろ(1955)」の沢村貞子など。

1955年製作/85分/日本
原題:Little Girl Shipper
劇場公開日:1955年4月10日

ストーリー

水辺の町潮来に、お光の家は兄の信一と祖父の源助と三人暮しである。源爺は漁に出かけ、信一は渡しの船頭をやっている。お祭も近くなったある日、美校生の水野が東京から絵を描きにやって来て、信一とお光と知り合い仲良しになった。信一はかねてから東京で働きたいと思っていたが、源爺はそれに反対であった。お光は、しかし、水野の叔父が東京でラジオ工場をやっているというので、信一の就職を水野に頼むのだった。間もなく東京へ帰った水野は、早速手紙をよこして信一の就職に承諾の意を示した。あとのことを心配する信一だったが、お光は兄を元気づけてそっと東京へ発たせた。それを知って立腹した源助も、ほんとは淋しそうで、居酒屋で酔って来る日が多く、そのためかやがて寝込んでしまいワカサギ漁にも行けなくなった。お光は漁師の久作に頼んでワカサギ漁に連れて行ってもらい、その分前の金を信一を愛している妙子に託した。信一が工場で怪我をしたと云う知らせがあったからだ。始めてそれを知った源助は、心配の余り、お光の前で信一に対する憤りの念をもらした。ところが妙子とすれ違いに帰って来た信一は、図らずもその声を外から耳にし、自分の弱気を恥じてそのまゝ東京へ引き返して行った。無理してワカサギ漁に出た源助の容態が悪くなり、床に就いてしまった。お光は渡し場にいて、再び訪れた水野の姿を見出した。水野は約束した絵をお光に渡し、霞ケ浦を廻って東京へ帰って行った。お光が家へ帰ると、源助が苦しい息の下で信一の名を言いかけながら息を引きとった。水の上をお光の船が通り、その歌声も悲しく流れて行く。

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