裸の太陽

劇場公開日:

解説

機関車のカマ焚きの青年が主人公の物語で、氷室和敏の原作を、「氷壁」の新藤兼人が脚色、「異母兄弟」の家城巳代治が監督した青春篇。撮影は「季節風の彼方に」の宮島義男。「奴の拳銃は地獄だぜ」の江原真二郎、「鴬城の花嫁」の丘さとみ、「清水港の名物男 遠州森の石松」の中原ひとみ、「炎上」の仲代達矢らが出演している。

1958年製作/97分/日本
原題:The Naked Sun
配給:東映
劇場公開日:1958年10月1日

ストーリー

驀進する機関車--ハンドルを握るのは機関士の崎山、助手は木村。崎山は妻の房江の出産が明日なので落着かない。木村には房江の妹でゆき子という恋人がある。二人は十万円の結婚資金をためている最中。その木村は明日は一緒に海水浴に行くのでウキウキしている。仕事が終って木村が乗務員詰所に戻った。そこでは親友の前田が同僚達に囲まれて、不穏な空気が漲っていた。同僚の金がなくなり、日頃競輪にこったり素行の悪い前田が疑られたのだった。木村は前田をかばったが、彼は何も弁解しなかった。喫茶店で木村とゆき子は、海水着を買うために貯金を下すことに決めた。寮から通帳を取っての帰り、木村は前田に会い、金を貸してくれといわれる。一度は断ったものの、なにか事情があるのを察し、貯金を全部貸してやる。ゆき子はせっかくの楽しみが駄目になって怒り出す。二人で町を歩いている時、ビアホールから出て来る前田をみかける。木村は金の使いみちを詰問した。二人は大喧嘩になり、警察に連行されてしまった。怒りもとけたゆき子は、警察から戻った木村になんとかして海に行こうという。ところが翌日、木村は警察を出てから行方不明の前田の代りに勤務を命じられる。これで海水浴もとうとう駄目になった。ゆき子は崎山から事情を聞かされ、しぶしぶ姉の手伝いに行く。浮かぬ気持で寮に帰った木村のところへ、河合富子が前田に貸した金の礼をいいに来た。昔、前田は富子を愛していた。富子はそれを知らずに他へ嫁いでしまった。前田は富子が忘れられなかった。最近前田が富子に会って、富子の夫が胸を病んで困っていることを知った。そこで前田は金の工面をしてやったのだ。木村もゆき子も前田の愛情に感動し、昔の仲良しに戻った。木村とゆき子は海水浴の代りに、湖に行くことに決めた。

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