野ゆき山ゆき海べゆき

劇場公開日:

解説

戦争の影が押し寄せている頃の瀬戸内の城下町を舞台に子供たちの戦争ごっこを描く。モノクロ版とカラー版と2種類のプリントで公開。佐藤春夫原作の「わんぱく時代」の映画化で、脚本は「子象物語 地上に降りた天使」の山田信夫、監督は「四月の魚」の大林宣彦、撮影は「PARIS-DAKAR 15 000 栄光への挑戦」の坂本善尚がそれぞれ担当。

1986年製作/135分/日本
原題:The Young and Wild
配給:ATG
劇場公開日:1986年10月4日

ストーリー

第一尋常小学校に通う須藤総太郎は、第二尋常小学校から転校して来た大杉栄の姉、お昌ちゃんに淡い恋心を抱くようになった。だが、彼女には筏乗りの早見勇太という恋人がいた。栄は乱暴な性格が原因で第二小学校を追い出されたのだが、早速クラスのガキ大将、ボンチャンとの権力争いを始める。争いはエスカレートして遂には第一小学校側と、第二小学校側の大喧嘩となる。お昌ちゃんから相談された総太郎は、一定のルールに従い武器を使用禁止の戦争ごっこを提案した。夏休みに入り、戦争ごっこが始まった。その頃、子供たちの世界だけでなく、大人たちの世界にも戦いの波がおしよせてきていた。戦争ごっこの一日め、総太郎のドロナワ作戦が功を奏する。その夜、日本軍の大勝利に町の人々が騒ぐなか、泥酔した総太郎たちの担任、川北先生はお昌ちゃんと一緒にいた平和主義者の勇太に、嫉妬にかられて絡み非国民と罵った。翌日、子供たちは捕虜の交換を行なうが、飛んできた石がきっかけに石の投げ合いとなり皆傷ついてしまう。栄と総太郎は一対一の勝負で、タライ舟から先に川に落ちた方が負けという決闘をした。お昌ちゃんが審判だったが、勇太の姿を見て役目を放棄してしまう。それを見た総太郎は「もうやめた」と岸に向かうが、栄はやりばのない怒りをぶつけ総太郎の腕を折ってしまう。翌日、謝りに来たお昌ちゃんは、総太郎に栄は妾の子のため兵学校に行けず、また異母姉弟の自分に恋してしまったから乱暴になったのだと話した。ある日、総太郎と栄は栄の母、里が夫の繁太郎の借金のためにお昌ちゃんを四国の遊郭に身売りしようとしていることを知った。また勇太にも赤紙が来る。彼はお昌ちゃんと駆け落ちすることを決心するのだが、仲間の戦死を知り、その遺骨を抱く老婆の姿を見て戦争に行かせてくれと言う。お昌ちゃんたちが四国へ連れて行かれる日、総太郎たちは掠奪大作戦を開始。それは成功したが、親に売られ帰るところがない娘たちは港に戻る。お昌ちゃんが売られるのを知った勇太は脱走し、小舟でお昌ちゃんの乗っている舟に近づく。お昌ちゃんは石油をかぶり「近づいたら火をつける」と小舟に移る。だが、青木中尉が燈台から撃った弾が勇太を貫いた。お昌ちゃんは小舟に火をつけ、二人は小舟と共に水没していく。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.0この時代

2023年8月23日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

単純

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りか

2.0内容そのものよりも小学校のクラス演劇会みたいな演技にうんざりした。

2022年9月22日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

内容そのものよりも小学校のクラス演劇会みたいな演技にうんざりした。

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省二

4.0鷲尾いさ子の貴重なヌード

2021年4月29日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 お昌ちゃん(鷲尾)に惚れてしまったのは少年たちをはじめ、尋常小学校の川北先生(竹内力)、青木中尉(佐藤浩市)、いかだ乗りの早見勇太(尾美としのり)たち。そのうち早見が彼女の恋人となっていた。

 少年たちは転校生大杉(片桐)と対立しケンカばかりだったが、医者の息子である須藤総太郎(林)の提案で戦争ごっこを始めることになった。このノスタルジックなわんぱく戦争こそが映画のテーマであるのだが、現代のいじめ問題なんて吹っ飛んでしまうかのような内容だ。しかし、本物の戦争が目前に迫っていた。いつまでたっても双眼鏡とロシア語で描かれた辞典のような本を手放さない林泰文の演技は光る。

 お昌ちゃんと大杉とは異母姉弟。ギャンブル好きの船乗りである父親(峰岸徹)のためにお昌ちゃんは四国の女郎屋に売られることになり、恋人の早見には召集令状が届いていた。女郎屋の件を知らなかった早見は駆け落ちする予定だったが、潔く戦地に向かうと決心していた。しかし実情を知ると、召集されてから脱走する。そして、子供たちは売られゆく少女たちの掠奪計画を実行するのだ・・・実に痛快な展開ではあるが、女衒の清六(佐藤允)には戻ってくるはずだと達観した雰囲気。不景気の世にあって、娘を売らねばならない事情を知り尽くしているようだ。

 最後には青木が早見を射殺。そして、油をかぶっていたお昌ちゃんも焼け死んでしまう。そんな虚しさを残してはいたが、エピローグにて痛快な展開。わんぱく共の小さな反抗だった。

 ストーリーもすごくいいのに、どうしてコミカルな演出にこだわるのか・・・特に竹内力なんてのは可哀そうなくらいコミカルな動きばかり。鷲尾にしても、いい表情があるものの、台詞回しでNGをくらいそうなシーンをそのままにしている・・・まぁ、ここが大林らしい素人くささの演出なんだろうけど。

 とりあえず、鷲尾いさ子の貴重なヌードは保存版。

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kossy

3.0まあまあだった

2020年7月13日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
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吉泉知彦
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