人形嫌い

劇場公開日:

解説

兄を愛しながらも、そのフィアンセの出現によって動揺し、行きずりの男と関係を結ぶ女高校の姿を描く。脚本は「ザ・レイプ」の田中晶子で、これは彼女が高校三年生のときに応募した『シナリオ』誌コンクールの入選作である。監督はテレビ出身で、これがデビュー作となる日高武治、撮影は小島勲がそれぞれ担当。

1982年製作/101分/日本
配給:東宝東和
劇場公開日:1982年9月25日

ストーリー

日樫もえは中学入学と同時に、カメラマンをしている好きな兄、亮を頼って会津から上京して来た。彼女は今、高校生だが、兄とダブルベッドで眠っている。そんなもえに、クラスメートで彼女が住むマンションの管理人の息子、純は思いを寄せているが、相手にされない。ある朝、もえは通学のバスの中で、痴漢をしようとした中年男と知り合った。変な男だが奇妙にもえの心に残った。遅刻常習犯のもえは、その日も授業に間に合わず、図書室に隠れた。それに気づいた純も、こっそり図書室に追ってきた。そこへ、いつもうるさい生活指導の金剛先生が若い女教師を連れて入って来ると、ラブシーンを始めた。写真部の純はその光景をカメラに収めた。ある日、もえは友だちと喫茶店にいると、女性を連れて歩く兄を見かけた。ショックに動揺するもえ。もえは兄のスタジオに行くと、その女性、弥生を紹介される。外に飛び出すもえに、亮は複雑な表情だ。数日後、もえは純に下着姿の写真を撮らした。そして、弥生を呼びだすと、兄に撮ってもらったとその写真を見せる。しかし、プロカメラマンの亮がこんなヘタな写真を撮る訳がないと弥生はとり合わない。もえは、兄がプロポーズしたらその写真を返してと弥生に渡した。一方、学校では同じ写真が金剛先生に見つかり、もえと純は呼びだされた。しかし、純はこの前の図書室の写真をさし出すと、うろたえた金剛先生は二人を解放するのだった。弥生にわたした写真は意外に早く返ってきた。弥生にプロポーズした亮は、その写真を見せられ、家に帰るともえを叱責した。愕然とするもえは、数日後、あの中年男のアパートを訪ねると、抱いて欲しいと言う。男は、驚きながらも、もえを抱いた。もえは、バージンを捨てたことで、過去を清算したかのように、翌日からは、気分も晴れやかに学校に出かけた。

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