アメリカン・ヒストリーX
2月中旬、恵比寿ガーデンシネマほかにてロードショー
「ファイト・クラブ」から+15kg、
ノートンの鍛え上げた肉体を見よ!

すごい衝撃作。「ファイト・クラブ」も相当に衝撃的だったが、このパンチ力はそれ以上だ。テーマは「憎しみ」だからして、暗い。が、敬遠するなかれ。ここには「悲劇」のカタルシスがちゃんとあるからだ。
とにかくエドワード・ノートン、たいした役者である。彼は父親を黒人に殺された怒りに身を任せ、優等生からマッチョなネオナチに変身する。はっきり言って、コワイ。陶酔した表情で、暴漢を殺す彼ときたら! これが「ファイト・クラブ」のなで肩でナマッチロイ兄ちゃんかと思うと、舌を巻かずにはいられない。そんな彼に憧れ、崇拝する弟のエドワード・ファーロングも、まさに適役だ。
「憎しみからは何も生まれない」。ノートンは刑務所での過酷な経験から悟り、二度生まれ変わる。が、めでたし、めでたし、とはいかない。差別 や憎しみにまみれてきたアメリカを、断罪するような結末だ。差別 にあまり縁のない我々にも、洗脳の過程なんかはリアリティをもって見ることができるはず。しかもキャラクターの内面 をノートンがきっちりと表現して、ドラマとしての深みも十分。回想シーンの切り込むような鋭さ、祈りのような静けさが、いつまでも心に響くだろう。
(若林ゆり)

カリフォルニアの高校に通 うダニーは、尊敬する兄デレクが刑務所を3年振りに出所する日、校長に呼び出される。「兄弟をテーマに作文を書け。タイトルは『アメリカン・ヒストリーX』……」デレクは地元のスキンヘッド(白人至上主義グループ)のリーダーとしてカリスマ的な存在だった。彼がその道に足を踏み入れたのは、父が黒人のドラッグ・ディーラーに殺されたことがきっかけだった。
原題:American History X
監督:トニー・ケイ
出演:エドワード・ノートン、エドワード・ファーロング、ビバリー・ダンジェロ
字幕:栗原とみ子
1999年アメリカ映画/2時間00分
配給:日本ヘラルド映画
オフィシャルサイト(英語)
