西陣の姉妹

劇場公開日:

解説

「源氏物語(1951)」に次ぐ吉村公三郎の監督作品で、シナリオは同じく新藤兼人が書き、撮影は「逢魔が辻の決闘」の宮川一夫が担当している。出演者の主なものは、「西鶴一代女」の田中絹代、「ある夜の出來事」の宇野重吉、「風雪二十年」の宮城野由美子、「あばれ熨斗」の三浦光子、「阿波狸屋敷」の日高澄子、「呼子星」の三橋達也のほか、進藤英太郎、東山千栄子、菅井一郎、柳永二郎、近衛敏明、殿山泰司、ニュウ・フェィス津村悠子などである。

1952年製作/110分/日本
原題:Sisters of Nishijin
配給:大映
劇場公開日:1952年4月17日

ストーリー

全盛を誇った西陣の織元大森孫三郎も、時世の波には勝てず、莫大な借金を残して死んだ。後には弱気な妻のお豊と、戦争未亡人の長女芳江、次女久子、東京で勉学中の三女富子の美しい三人の姉妹、それに孫三郎に囲われていた芸者染香が残された。子供の時から大森家に奉公していた番頭幸吉が、高利貸しから家を抵当に金を借りて家運挽回を試みたが失敗に終わり、一家は動きがとれなくなった。東京の富子も、家が没落しては学校どころでないし、婚約の安井との結婚もあきらめるというのを、久子は上京して安井の変わらぬ意向をたしかめてやった。高利貸しはいよいよ家を差押さえようといい、家伝の道具類をその代わりにというのを安い値でたたいてしまうのだった。染香は再び左襟をとったが、それでも大森家の窮状を見兼ね、孫三郎に買与えられた自分の家を売ってその金を差出したが、それも債鬼たちにたちまち持って行かれてしまった。幸吉は高利貸のあまりの悪辣さに彼を斬りつけ、警察にひかれて行くが、やがて帰って来た時は主家の窮状は更に激しく、久子からたのまれて芳江と結婚することになった。彼は心の中で永い間久子を思いつづけていたのだったが--。やがて大森家の家屋も、解体され運び去られ、庭の敷石までも債権者がはぎ取って行った。そして街の中に歯の抜けたような荒らされた屋敷跡だけが、ポツンと残っているのだった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

4.5現在ならBEST1クラス

2015年3月26日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

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