東京五人男

劇場公開日:

解説

「磯川兵助功名噺」の斎藤寅次郎が演出した作品である。

1946年製作/84分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1946年1月3日

ストーリー

横山、藤木、古川、北村、石田の五人は徴用工として東京から遠い軍需工場で働いていたが、終戦と共に焦土と化した東京へ帰って来た。彼等の家は罹災し家族は壕舎生活をしている。そして東京は闇の横行と飢餓と失業の中に喘いで人心は荒んでいた。五人の男は互いに力を合わせ東京復興に努力しようと誓い、前の職場へ帰って行った。都内電車の運転手と車掌である横山と藤木は交通道徳を忘れ無秩序と喧騒に殺気立つ人々を和やかにしようと努力する。石田は食糧配給所に勤めている。今日配給所の運行は全家庭の最大関心事であるのに、実際は無駄な手続きと時間、労力の浪費を必要とし市民生活に非常な不便を与えている。石田はこれを改革し主婦達に出来るだけ便宜を与えようと努力する。古川は薬屋であるが売るべき薬は一つもなく妻を失ったヤモメの彼は疎開中の唯一人の子供のために買出しに出かけ自分の衣服までも脱いで吾が子のため食料を持ってゆくのである。北村は国民酒場に働いているが、酒場の主人は公衆に売るべき酒を胡魔化して金持ちや権力者にヤミで売り私腹を肥やしている。北村はそれを黙認し得ずに忠告するがかえって叱られ酷使された。この様に五人は彼等の町を少しでも住み良くしようと懸命の努力をしている時、金持ちや権力者は悪徳商売や暴力団を仲間に入れて大衆の必需物資を秘かにかき集めて金儲けを企み、その上五人の男を始めとして町の住人達をその町から追い払おうとする。堪忍袋の緒を切った五人は悪徳漢を葬るためがぜん奮起するのである。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.5昭和20年の東京

2022年11月15日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

終戦で東京に戻ってきた五人の男たちは、貧しいながら東京復興に精を出す。
しかし、闇物資を隠匿し、大儲けしているお役人や金持ち、暴力団の面々に苦しめられる。
進駐軍の管理下にあった映画界で、これだけの作品を作り上げた映画人はすごい。

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いやよセブン

4.0斎藤寅次郎監督はじめ、アチャコ、エンタツ、ロッパ出演の喜劇。

2022年8月21日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

1945年終戦直後で東京大空襲後の東京の現場での撮影。貴重な歴史的資料と同時に、ユーモアたっぷり。
奥さんに頭が上がらない夫は戦争から帰って来た兵隊さん。
庶民の生活は厳しいが、役人は決まりばかりで柔軟に対応せず陰ではあくどいこともやっている。
そこを何とか自分たちでもよくしていこうとする兵隊さんたち。
国策的に作られた感もあるが、楽しめた。
山田洋次監督が選んだ日本の名作100本〜喜劇編〜にも掲載されている。
【監督】斎藤寅次郎
【出演】横山エンタツ,花菱アチャコ,古川緑波,柳家権太楼,石田一松

NHK BSプレミアム

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M.Joe
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