劇場公開日 1982年4月17日

転校生のレビュー・感想・評価

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5.0超久方ぶりに観て恐るべき先進性に驚嘆しました 単なるリリシズムの映画ではなかったのです

2023年4月22日
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1982年公開
1981年「ねらわれた学園」の次の作品
本作の次が1983年の「時をかける少女」という順番です

大林宣彦監督が本格的にブレイクしたヒット作といえます

本作の「転校生」、「時をかける少女」、1985年の「さびしんぼう」と併せて、これら三作が「尾道三部作」と言われて有名です

因みに「新・尾道三部作」もあります
こちらは以下の作品です
1991年「ふたり」
1995年「あした」
1999年「あの、夏の日 - とんでろ じいちゃん」

大林宣彦監督のファンならもちろん全部観ているはずですね

ところがどっこい、本作と「あした」は視聴困難で、中古DVDが高値で売られています
何が問題なのかサッパリ分かりません
今日の目で観るとコンプライアンス的にマズいことがあるのでしょうか?

それでかどうか分かりませんが、本作は、大林宣彦監督のセルフリメイクで2007年に「転校生 -さよなら あなた-」が公開されています
但し舞台は尾道から長野市に変更されています

大林宣彦監督ならではのリリシズムが全編に溢れています
この作風が今では当然のように思い浮かべられるのですが、それまではどちらかというとキッチュでコミカルな映像作家というイメージでしたから、ずいぶんと作風が変わったと思ったものでした

本作を観ると自分自身の青春の思い出までが一気にフラッシュバックしてしまいます

白黒映像がリアルの記録
カラー映像が思い出の中
思い出こそ写真より何十倍も情報量が多いのです

尾道の光景は本作から話題になっていったのです

本作は作品のヒットと共に、尾道をまるでスターのように有名にした最初の作品なのです

そして超久方ぶりに観て恐るべき先進性に驚嘆しました
単なるリリシズムの映画ではなかったのです

それはLGBTについての問題提起です
本作はそれを40年も前に真っ正面から扱っていたのです

男の人格なのに、肉体は女
女の人格なのに、肉体は男
しかもそれがトランスしているのです
主人公達はそのことを周囲に気付かれないように苦労して生活することで強烈なストレスを毎日味わって生きていかねばならない人間なのです
本作とは、そういう映画であったのです

今こそ本作を観るべきです
LGBTを考える良い手始めだと思いました

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あき240

5.0名作中の名作

Mさん
2022年10月1日
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山中恒さんの「おれがあいつであいつがおれで」が原作。
私にとっては男女入れ替わりものの元祖。
小林聡美さんも尾美としのりさんもこの映画が主演としての初めての作品かな。
トロイメライのメロディが心に残る。

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M

4.5【”お前は俺で、俺はお前なんだよ!” 第二次性徴期の男女が入れ替わりにより困惑する姿を小林聡美の女優根性と、尾美としのりのなよなよ演技が見事に表現した作品。近代邦画のジュブナイル映画の秀作。】

2021年4月14日
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ー 或る年代以上の映画好きには、忘れ難き作品ではないだろうか・・。ー

■感想

1.作品構成の妙

 ・転校してきた斎藤一美と斎藤一夫が、神社の階段から転げ落ちるシーンまではモノクロで、階段下の前の踏切を電車が取り過ぎるシーンから、カラーに切り替わり、ラスト、再び二人が同じ階段で転げ落ちるシーンから、再びモノクロに変わる、印象的な色彩の使い方。

2.若き小林聡美さんと、尾美としのりさんの、振り切った演技及び異性を演じる表現力。

 1)特に小林さん。年頃の女性で、頑張ったなあ‥。実際には、大変みたいだったけれど、あの頑張りが今の小林さんの女優としての確固たる地位を築いたのだ!と勝手に思っている。
 そして、お二人とも現在でも、ドラマ、映画の第一線で活躍されている。稀有なことであろう。

 2)入れ替わった二人の台詞
  ・一夫と入れ替わった一美:”あれって、時々、形が変わるのね・・。”
              ”生理って知っているよね・・”
    ー 女性の身体は男の子には魔訶不思議なモノ。それを、作品の面白さに昇華させる大林監督の、技量。ー

3.故、大林宜彦監督ならではの、どこか懐かしさを感じる画。
 背景に映る穏やかな瀬戸内海の風景が作品の風合に優しさを加味している。

<元に戻った二人が、お互いに距離を縮め、相手への素直な想いを口にし・・、そして一夫の父の栄転により二人が別れる、切ないバスのシーン。子供の頃にTVで今作を観た男には、沁みます・・。>

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NOBU

4.5小林聡美熱演❣️可愛くキュートでした。 志穂美悦子の美しさに驚きました。

2021年4月13日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

小林聡美熱演❣️可愛くキュートでした。
志穂美悦子の美しさに驚きました。

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tuna

4.0「君の名は。」を観て以来、男女人格入れ替えがどこかで気になっている

2020年5月2日
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鑑賞方法:DVD/BD

「転校生」を30年前くらいに観たとき、あのシーンが妙に印象に残った。なにせ、思春期で成長期の肉体を持つ若い男女が〇〇してしまうのだ。そんな災難のような幸運のようなことつまり若い男女にとっては一大事!が起きてしまうためには、それなりにふたりの肉体に同時に大変なことが降りかからなければ成立しない。納得できない。説得力を持たせるために、映画としてどんなシーン絵が必要なのだろうか、と監督は思案したはずなのだ。(つづきはnote)https://note.com/daika/n/nf75acff62ba9?magazine_key=m8000cfeda611

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daika

3.5新海誠はこの映画なしに存在しなかった

2020年4月27日
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●転校生モノというジャンルを新たに作り上げた功績
●小林聡美の少年演技の尾美としのりの少女演技の素晴らしさ
●切ない別れのラストシーン

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sensei_nyanko

5.0野ばらに寄せて。

2020年4月11日
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泣ける

笑える

幸せ

就職して広島に来た時に、最初に思ったのは「尾道に行かなくちゃ」。MTノンパワステの3HBを中古で買って千光寺に行きました。駐車場に車を置いてから、歩いた、歩いた。階段を下って登って、また下り。でも、あの石段らしき場所を見つける事は出来なくて、ロープーウェイ乗り場でお姉さんに尋ねたら、「斜面が違う」って言われました。きゃわいらしい丸字の案内付きの地図を書いてくれて「歩きんさい、すぐじゃけぇ」。これが結構、直ぐじゃ無い。しかも迷った。地図になっとらんやん、これ、何の落書き?なんて文句言っても始まらない。それでも、なんとかM天満宮に辿り着き。薄曇りの休日の夕方は、やや強めの雨に煙り始めてて。傘持って来て良かったよ、と思いながら、「入れ替わり」が起きたと思しき場所に立つと、思わず顔がにやけて来た。キモいよ、俺。

あれから、尾道には何度も行ったけど、雨ばかりに出くわす。駅南から東側や海岸沿いの道路なんかは、きれいに整備され、ラーメンが名物になってたりして人通りも増えた様な気がするけれど、千光寺に登って行く階段や、頭を擦りそうになる高架や渡り廊下は古びるばかりで、逆にほっとする。一昔前は、「大林宜彦が好きで尾道までやって来て、ここを歩いてる人もいるよね」、なんて考えながらアーケードを歩いたりしたけど、今はどうなんだろう。この街の風景と人が好きで、この街の物語を映画にして、日本中の人を笑かして泣かしてシンミリさせた、大林宣彦さんの事も、彼の作った映画も、いつか忘れ去られてしまうんでしょうけど。

俺は忘れません。本当に好きでした。

額縁に入れて飾っておかなければ腐ってしまうような、お芸術でも無く。普遍性のあるメッセージで人々に高説を垂れるでも無く。非日常であっても身の丈である事を忘れず。歩いて行ける野原に咲いた、目を引く原色のバラの花を見つけた様な気持ちになる、大林宣彦の映画を忘れません。でも、痴呆になったらゴメンなさい。

色んな人の作品の中に、大林宣彦を感じることは、今でもある。
きっとこれからも、フェイクを感じさせるチャンガラでポップなスタジオ取りの画だったり、あざといくらいに「何か」デフォルメした「人物を中心にした風景」だったり、そんなんを見ると、「大林的やなぁ」なんて事、言うんだと思う。

合掌

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bloodtrail

5.0訃報・・・真っ先に思い出したのがこの転校生

2020年4月11日
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鑑賞方法:映画館、TV地上波

 公開当時は、股をさぐって「ない!」と叫ぶ女の子の予告編を見たものだから、てっきりオバカ青春コメディだとばかり思っていた。心の入れ替わりというファンタジー映画を土台とした、ノスタルジック映像満載の青春映画だったわけです。確かにエッチなシーン・・・上記の小林聡美の行動や尾美としのりが彼女にブラジャーをつけるシーンなど・・・も多かった。

 モノクロフィルム映像から、カラーへと変わり、ラストもモノクロへと変化する構成。一夫が8mmカメラを持っていたりと、映画への愛情も現れている。一夫の家の壁には名画座のポスターもあり、『駅馬車』、『アパッチ砦』、『ラスト・シューティスト』と変わっていくほど西部劇好きだったことがわかる・・・本当?

 最初に見たのはTVでしたが、その後にリバイバル上映を観た気がします(記憶はあやふや)。素敵な作品たちを残してくれた大林監督。ご冥福をお祈りします。

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kossy

4.0これまた何十年振りかの鑑賞になります。 中1の時にみっちゃんとみっ...

2018年4月15日
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鑑賞方法:VOD

これまた何十年振りかの鑑賞になります。
中1の時にみっちゃんとみっちゃんのお兄さんと見に行ってから糞ハマった映画です。

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ゾンビちゃんです

5.0何度見ても

2016年9月17日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

笑える

楽しい

幸せ

もはや古典となった大林宣彦監督作品で、入れ替わりパターンの傑作。
小林聡美と尾美としのりが入れ替わるのだが、二人の変身ぶりは素晴らしいの一言。
中学三年で、男と女の置かれた状況が笑いを交えながら鋭く描かれる、
小林聡美は17歳で代表作に出会ってしまった。

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いやよセブン