ツィゴイネルワイゼン

ALLTIME BEST

劇場公開日:

解説

「殺しの烙印」(1967)、「悲愁物語」(77)の鈴木清順監督が、内田百間の「サラサーテの盤」などいくつかの短編小説をもとに、夢と幻が交錯するなかで狂気にとりつかれた男女の愛を描いた幻想譚。

大学教授の青地と友人の中砂は、旅先の宿で小稲という芸者と出会う。1年後、中砂から結婚の知らせをうけた青地は中砂家を訪れるが、新妻の園は小稲に瓜二つだった。

1980年、東京タワーの下に建造されたドーム型の移動式映画館シネマ・プラセットで上映されたことも話題に。第4回日本アカデミー賞の最優秀作品賞ほか、第31回ベルリン国際映画祭の審査員特別賞を受賞するなど国内外で高い評価を受けた一作。2012年、「浪漫3部作」と呼ばれる「陽炎座」(81)、「夢二」(91)とあわせてニュープリントでリバイバル上映。2023年、鈴木清順監督生誕100年を記念して4Kデジタル完全修復版で再びリバイバル公開。

1980年製作/144分/日本
配給:リトルモア、マジックアワー
劇場公開日:2023年11月11日

その他の公開日:1980年4月1日(日本初公開)、2012年1月14日、2023年4月15日

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第4回 日本アカデミー賞(1981年)

受賞

作品賞  
監督賞 鈴木清順
助演女優賞 大楠道代

ノミネート

脚本賞 田中陽造
主演女優賞 大谷直子
助演男優賞 藤田敏八
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(C)1980/提供:リトルモア

映画レビュー

4.0荒唐無稽さと戯れよ

2024年4月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

鈴木清順監督作品・大正浪漫三部作第一作。

意味が分からない(好き)。

海にうち捨てられた女の死体を大衆が上手に移動してから、カメラもレールで移動するカメラワークが意味分からなくて、好き。

鈴木清順は本当に奇才なんだと思う。
序盤のレコードが鳴るところから、映像と音声はかろうじて同期されていることが宣告され、全編にわたるアフレコは、セリフの同時性をまったく気にしない。ショットは、意味ありげで無意味に連なり、そこに物語世界にありえなさそうなモーター式の船や電気信号が登場してもカットしない。アクション繋ぎもされず、同じアクションが繰り返される。

けれど、なんと不思議なことでしょう。物語が生成されているのです。
もうその荒唐無稽さなんて気にならない。次のショットがどのようなものか全く予想できない。子どもがおもちゃのびっくり箱に驚くように、観客も驚愕する。だって眼球をなめることも鍋いっぱいにこんにゃくが入っていることも、豊子と三途の河を渡る船と灯りも想像できないでしょ。しかも電話のシーンで空間を異にしているはずなのに、移動ショットで二人をつないでしまうのも意味が分からない。ワンカットで、二つの時系列や生死の世界を描こうとするのも、そしてそれができてしまうのも意味が分からない。

そう考えると荒唐無稽にみえるカメラワークや演出、編集が、生死の世界の境を攪乱させる魔法になっているのかもしれない。

結局、あのシーンであの登場人物は生きているのか死んでいるのか、識別不能だ。しかし3人の盲目の琵琶奏者がどのような関係かみる人によって変わるように、私たち鑑賞者はリテラルに本作をみて、「真実」を識別しないといけないのかもしれない。

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abokado0329

5.0大正美学の時空間を舞台に描かれた生の快楽とその果ての死者が生者を左右していく奇怪な世界

2024年3月18日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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徒然草枕

4.0大谷直子妖艶

2024年2月14日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

難しい

懐かしい大谷直子良いですね。
昔から妖艶ですけど、若い頃の大谷直子いいね。

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こえん

3.5どこか奇妙な清順映画

2024年2月13日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

原田芳雄扮する中砂糺は、遺体の上がった浜で警察の尋問を受けようとしていたところ藤田敏八扮する士官学校教授青地豊二郞が駆けつけた。

劇場で観て以来2回目だと思うが、やっぱりどこか奇妙な清順映画だ。弟が自殺した芸者小稲と中砂の嫁園二役で大谷直子。俳優陣が濃いから余計シュールだね。だからこそ印象深い作品になってるな。

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重