血とダイヤモンド

劇場公開日:

解説

「蟻地獄作戦」の小川英と間藤守之が共同でシナリオを執筆「国際秘密警察 虎の牙」の福田純が監督したアクションもの。撮影は「ああ爆弾」の宇野晋作。

1964年製作/96分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1964年7月1日

ストーリー

神戸税関から運び出された三億六千万円のダイヤの原石が四人組のギャングに強奪された。犯人は刑務所仲間の小柴と跡部、それに会社の金を横領した手代木と小柴に拾われた風来坊ジローの四人だ。小柴は逃げる際、ボディーガードが撃った銃弾を右胸部にうけた。一方小柴たちより先きにダイヤ強奪を計画していた宇津木を首領とするギャング団は、思わぬ伏兵に横取りされたことに激怒し小柴一味探索にのり出した。小柴は空家のガレージの中に身を隠し宇津木の子分と通じるウェイトレス利恵を使って、ダイヤを処分する機をうかがっていた。しかしこの強奪計画を事前に探知していた男がいた。悪徳私立探偵黒木だ。黒木は、このダイヤに保険をかけている、保険会社代理人ポールから情報を得、ダイヤ奪還の報酬に七千万円を要求した。一方ガレージに身をひそめる小柴の容態は悪化し、手代木とジローは医者を探しに出かけた。それを見た小柴は金を独占しようとし、残る子分跡部をなぐり倒し、ダイヤを持って故買屋の崔が待つ球場裏にいった。しかし来たのは子分楊で、ふとしたもつれから楊を射殺した。このことを察知した黒木は現場にかけつけ五千万円で小柴と取引しようとしたが、小柴に拳銃を突きつけられ、利恵と共にガレージに連行された。そこには秋津医師と娘津奈子が監禁されていた。小柴の手術は成功したが、余病の破傷風を引きおこした。これを見た利恵は小柴にみきりをつけ黒木と結託し居所を宇津木に内通した。ガレージに迫った宇津木一味と小柴一味の凄絶な拳銃戦が始った。しかし状況からダイヤが自分のものにならないと判断した黒木は、警察に密告し、一味は全滅した。黒木はまた次の獲物をねらって歩き出した。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

4.0フィルムノワールの時代に展開される邦画版レザボア・ドッグス!!  強欲に憑りつかれた男女の血と汗に塗れた騙し合いが男同士の友情に...なBL映画

2023年1月31日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 神戸税関から盗み出されたダイヤの原石を巡って、強奪犯一味とその対立ギャング団、さらにはそのダイヤの保険会社や漁夫の利を狙う私立探偵、そして彼らを一網打尽にしようとする警察の思惑が複雑に絡み合うクライムスリラーです。
 刻一刻と変化する状況とパワーバランスに応じて狡猾に立ち回る強欲なキャラクター達の心理戦は手に汗握りますが、ラストにかけては二人の男のほろ苦い友情物語に帰結し、ビターな中にもどこかハートフルな印象も残す秀作でした。
 主演の宝田明さんをはじめとして、水野久美さん、志村喬さんといった当時の東宝特撮映画のファンにはおなじみのスターに加え、佐藤允さん、夏木陽介さん、藤木悠さんといった個性派の二枚目俳優も挙って参加しており、作品全体のハードボイルドな印象をより濃くしています。
 理と人情に生きる任侠の世界でもなく、悠々と悪が勝利するピカレスクロマンでもなく、どちらにも振り切れない小市民的小悪党がローリスク・ノーリターンで死闘を生き延びて次の獲物を探すラストはこの時代の作品としてはなかなかに珍しい味わいかも。

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O次郎(平日はサラリーマン、休日はアマチュア劇団員)

3.0面白い犯罪映画

2022年12月15日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

ダイヤモンドの原石を盗むが、一人(佐藤允)が撃たれて負傷する。
一味は隠れ家に逃げ込むが、一枚岩ではなさそう。
治療のため医者(志村喬)を拉致してくる。
盗みを指示したグループや、保険調査員が絡んできて、混迷を深める。
タランティーノが好きそうな犯罪映画だ。

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