潜水艦ろ号 未だ浮上せず

劇場公開日:

解説

島村達芳企画、高橋一郎原案になる新東宝戦記映画。「北海の虎」の新井一と監督の野村浩将(君ゆえに)が共同して脚本を執筆している。撮影は「花と龍 第一部」「花と龍 第二部」の山中晋の担当。出演者は「花と龍 第一部」「花と龍 第二部」の藤田進、「母の秘密」の小笠原弘、「乾杯!女学生」の中山昭二、「女の暦」の細川俊夫、「君ゆえに」の美雪節子など。

1954年製作/81分/日本
劇場公開日:1954年7月13日

ストーリー

太平洋戦争も終りの頃。日本海軍の潜水艦ろ号は敵機の来襲に追われながら、久し振り横須賀に帰投した。ろ号がこの様な危機に再三再四会わねばならぬのは、未だに幼稚な逆探しか持たぬため航空機に対する感度が殆ど零で、これを逃れる方法は八木式レーダーを整備するよりほかはなかった。しかし艦政本部の会議で八木式レーダーの装備に関するろ号聴音長永田大尉の進言は拒否された。防禦装置よりも一機一艦の攻撃戦法をとろうとする末期的症状が海軍部内の空気を支配していたのだ。其の後永田は料亭松政の女将の養女幸子の世話でお琴の師匠おちかの家に下宿したが、以来永田と幸子は次第に離れ難いものになって行った。再びろ号に出動命令が下った。メレオン島に残された陸兵に食糧を運ぶ任務だった。永田は幸子からのお守りを抱いて死の海に出撃し、乗員は島の周辺から闇にまぎれて物資を運んだが幾人かの兵は再び艦に帰って来ずろ号は万身創痍の姿でようよう帰航した。マリアナ諸島は玉砕し、ろ号に最後の出撃命令が下った。佐々木艦長より一時間の情の外出許可を得た永田は幸子に会うべくおたかの家に駈けつけた。再び会い見る事もないだろう二人の情熱は一切を越えて燃え上った。そして潜水艦ろ号は出撃した。「われ目下浮上戦闘中なり、航空母艦一、駆逐艦一撃沈す。なお本艦に敵弾命中傾斜しつつあり」という電報を最後に、潜水艦ろ号は遂に浮上しなかった。

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