千客万来(1962)

劇場公開日:

解説

「小早川家の秋」の野田高梧と「めぐり逢う日まで」の柳井隆雄、「あの波の果てまで」の富田義朗の三人が共同で脚本を書き、「河口」の中村登が監督した青春喜劇もの。撮影もコンビの厚田雄春。

1962年製作/81分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1962年1月3日

ストーリー

紅葉の秋。味が自慢の天ぷら屋天銀の一人息子小林銀之助は、幼馴染の多佳子と磐梯に登るが、旧友今村謙太郎と香取啓子たちの一行と会った。銀之助は後輩にあたる啓子が好きだった。夫に先立たれた銀之助の母うめは、店で小まめに働く多佳子を、息子の嫁にと思っている。一方、謙太郎は前川建設の有能な技師で、啓子は社長秘書。彼女の父、丸菱商事の重役香取英介と前川社長とは無二の仲で、お互の糟糠の妻である安江と正子はよき相談相手だ。香取の頼みで前川は、謙太郡と啓子を結婚させようと骨を折っているが、肝心の本人同士が一向に煮えきらない。ある夜、香取と前川がバー・蜂の巣へ出かけると、マダムの京子は前川が二号として囲っている女給ツヤ子に、同じアパートの吉田という学生が熱をあげていると耳打ちした。自分の娘と同じ年頃の女の子相手に惚れたはれたでもなかろうと、前川も考えていた矢先きである。ところで、天銀に勤める多佳子の家は下町の雑貨商で、父太一は水上バスの船長さん。会社の主任から、メリヤス屋の次男坊の嫁に多佳子をといわれたが、妻のみつに「多佳子の好きな人は銀之助さんよ」と聞かされて大よろこび。というのも、銀之助の亡父と竹馬の友だったからである。啓子は謙太郎の酒豪ぶりが気にかかり、叔父の香取良介、アヤ夫妻のもとへ相談に行くが、男女同権の理想的な家庭を見て、結婚に踏みきる気になった。新婚旅行から帰って間もなく、些細なことから謙太郎が暴力をふるったので、啓子は家を飛び出した。失意の謙太郎が天銀でヤケ酒を飲んでいると、ご機嫌の太一がきて、銀之助に多佳子を貰ってくれと泣くのだった。そのころ、離婚を宣言した啓子は前川社長から「男が女を殴るのは、男の気持を判ってくれという祈りだ」と訓され、さらに叔父の妻への愛情の美しさを見てわが家に戻った。ツヤは前川の幸福のため故郷の四国に帰った。銀之助と多佳子の結ばれる日も近いだろう。

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