ザ・レイプ(1982)

劇場公開日:

解説

レイプされた女性が加害者を告訴したことによって逆に苦境に立たされながらも、強靭な意志で生きていく姿を描く。原作は落合恵子の同名小説。脚本は「ラブレター」の東陽一と「神様なぜ愛にも国境があるの」の篠崎好、監督も東陽一、撮影は「ラブレター」の川上皓市がそれぞれ担当。

1982年製作/100分/日本
原題:The Rape
配給:東映
劇場公開日:1982年5月15日

ストーリー

最終電車で駅に着いた路子は、恋人・植田との情事の後のけだるさを身体に残しながら、家路へと急いだ。突然、物陰に停っていた車のドアーが開き、男が顔をのぞかせた。彼女が以前、一度だけ行ったことのある中古車販売のセールスマンの谷口である。家まで送るという谷口の誘いを断わって、路子は歩を早めた。その時、背後から不意に谷口が路子に襲いかかった。抵抗する路子を車内に連れ込めずに、道から離れた空地へと引きずっていく谷口。二、三回、彼女の腹部に鈍痛が走る。薄れがちになる意識の中で、路子は懸命に抗うが、男の力は容赦なくブラウスを破り、パンティを剥ぎ取った……男は行為が終わるとそそくさと立ち去った。路子はとめどもなく流れる涙を拭おうともせず、満天の空を見ていた。傷心の路子に対して、植田は慰める言葉がなかった。ホテルの小部屋で、愛しあうことでいまわしい事件を忘れようとする二人。しかし植田が彼女にふと囁いた、「あの時も、よかった?」この言葉で衝撃を受けた路子は闘う決意をした。だが、その決意と裏腹に、警察での取り調べで屈辱的な思いをする路子。「なぜ、すぐ警察に行かなかったか?」「どうして、事件の後に恋人と愛しあったのか?」。やがて裁判が始まった。ここでも路子は被告側弁護人・黒瀬の執拗な攻勢に、鳥肌が立つ程おぞましい思いをさせられた。「なぜ逃げようとしなかったのか」「あなたはその時、腰を動かしたのではないか」……それだけではなかった、彼女の過去の男性体験まで次々に暴露されていったのだった。最終論告が近づくにつれて、一部始終を傍聴していた植田との間に、決定的な亀裂が走っていた。「懲役4年」路子は第一審に勝った。しかし、衆人の好奇の目にさらされ、精神的にも肉体的にもずたずたにされた路子が失ったものは、あまりにも大きかった。

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映画レビュー

4.0田中裕子の美しさ全開の秀作でした。

2020年12月3日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

田中裕子の美しさ全開の秀作でした。

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tuna

3.5色気

2020年11月29日
スマートフォンから投稿

今の田中裕子さんからは想像できないほど、20代の田中裕子さんは色気がありました。醸し出すオーラ・色気が際立っており、令和の20〜30代の女優さんにはこんな人は居ないのではないでしょうか。
映画内容もリアリティがありましたが、田中裕子さんの魅力を堪能する映画だと思います。

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オレンジ

3.0輝く田中裕子

2020年10月30日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

言わずとしれず、レイプ犯罪の立証の難しさ。
肉体的にレイプにあい、その後の調書、裁判で精神的に幾度もまたレイプされる。
訴えないひがいしゃも多々いるだろう。
愛のないセックスです満たされる男が理解出来ない。

若き田中裕子の色艶感、輝きも素晴らしい。

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上みちる

3.5性暴力事件を扱った裁判の難しさを痛感する。 被害者でありながら肩身...

2020年10月16日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

性暴力事件を扱った裁判の難しさを痛感する。
被害者でありながら肩身の狭い思いをしなければならない不合理さ。
加害者が合意があったと主張したのはのけ反ってしまった。
女検察官の大根ぶりもちょっと。
判決を聞かずに終わってしまったのは残念。

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省二
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