最後の博徒

劇場公開日:

解説

広島・呉を舞台に、広島中のヤクザを相手にして非情な世界へ飛び込んでいく男の姿を描く。正延哲士の同名のドキュメンタリー小説の映画化で、脚本は「修羅の群れ」の村尾昭、監督も同作の山下耕作、撮影は「結婚案内ミステリー」の鈴木達夫がそれぞれ担当。

1985年製作/125分/日本
配給:東映
劇場公開日:1985年11月16日

ストーリー

昭和52年4月13日、北陸最大の組織で北陸の帝王と呼ばれた川名組・川名勇組長が越前三国で殺害された。福井県警はその日のうちに刺客4人を逮捕。さらに殺人教唆の黒幕として、荒谷政之を逮捕した。荒谷には懲役二十年の判決が下りた。荒谷は少年時代から呉の素人賭場に出入り、石岡博の子分となる。そこで博徒の行儀作法を学んだ。一年後には若中に成長した彼に目をかけてくれたのは兄費分の大松義寛である。昭和21年8月、大松は愚連隊を叩き潰した。その中には後の大原組組長大原勝がおり、彼は後に呉一帯をしきる山辰信男と親交があった。石岡は大松を怒った。朝鮮戦争勃発直前、新興の運送業者山辰は勢力を伸ばし、山辰組を拡大していく。そんな時、呉駅近くで博徒のいざこざが起り、山辰組の若い者に突然現われた加納良三が助っ人をした。山辰は警察に捕まった加納を見込んで5万円の保釈金を積み子分にした。だが加納は刑務所内で大松と兄弟分の盃を交わしていた。荒谷と加納もすぐ親しくなった。昭和24年9月、加納は石岡を撃つ。だが命までは取れず刑務所入りとなった。この事件が山辰の命令と知った荒谷は単身山辰の命を狙うが、彼をかばうために出て来て命を落してしまったのは大松だった。この抗争は、山辰が加納を破門にするという条件を加え、広島の大親分清島春信の仲介で手打ちとなる。荒谷は山辰を狙って逮捕される。昭和27年6月、大原によって石岡が刺殺された。この仇は荒谷の若い者杉本が打ったが、山辰はのうのうと毎日を送っていた。荒谷はいつかは山辰を殺ると決心した。そんな荒谷に脅えて、山辰は刑務所内にまで刺客を送り込んできた。だが、荒谷の命はなかなか取れなかった。昭和34年2月、荒谷は出所。彼は神戸の神岡組の三代目、田城一正の最高幹部の菅田組組長菅田猛雄と兄弟分の盃を交わした。その頃、山辰は呉を一本化、共栄会という組織を作り、初代会長におさまっていた。昭和45年9月、加納の出所の時が来た。加納と荒谷は手を握り合い、打倒山辰をめざす。そんな二人の前に清島が現われ、山辰を引退させるから、彼から手を引いてくれと言うのだった。加納は足を洗い、荒谷は幼な馴染の道代を妻にして、大阪で一匹狼としての組を組織した。昭和50年9月、菅田組内の川名組と浅井組が戦争に突入。菅田は神岡組から絶縁状を送られてしまう。そんな時、荒谷のところに川名殺害の殺人教唆の逮捕状がきた。彼は菅田に最後の言葉を送った。菅田と神岡組三代目は和解した。昭和59年9月、最高裁は荒谷の原判決を破棄した。

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