西鶴一代女

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劇場公開日:

西鶴一代女

解説

名匠・溝口健二が井原西鶴の浮世草子「好色一代女」を依田義賢の脚色で映画化した文芸ドラマ。江戸時代の封建社会で波乱の人生をたどる女の生きざまを、溝口監督が得意とする長回しや流麗なカメラワークで描く。奈良の荒れ寺に、老いた姿を厚化粧で隠した街娼のお春がいた。羅漢堂に入ったお春は、五百羅漢の仏像に自分が関わってきた男たちの面影を重ね、若かりし頃を思い起こしていく。運命に翻弄されるヒロインを、田中絹代が鬼気迫る演技で熱演。1952年・第13回ベネチア国際映画祭で国際賞を受賞するなど海外で高く評価され、フランス・ヌーベルバーグの映画作家たちにも影響を与えた。

1952年製作/137分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1952年4月17日

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(C)1952 東宝

映画レビュー

4.5お春の生き様が、目に入らぬか!!!

2024年4月21日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

悲しい

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ウーパー

4.0溝口作品の長周しが、実は、観客に寄り添った作風に思えて…

2023年7月29日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

溝口映画は「雨月物語」「山椒大夫」「近松物語」
と観ていたが、
それ以前の作品は未鑑賞だった。

この映画は「雨月物語」の1年前に撮られた
作品だったが、私の
主演の田中絹代との出会いは
NHK大河ドラマ「樅の木は残った」の
主人公・原田甲斐の母親役だったが、
その毅然としたたたずまい
が印象に残っていた。

さて、この「西鶴…」、
当時は女性が能動的に生きることが
難しいことだったとは思うが、
彼女も受動的な選択を強いられた結果、
全てに暗転を重ねる人生に、
なかなか正視するのも辛かった。

これ程の悪いスパイラルの人生模様は、
本来は逆御都合主義的展開に感じても
不思議ではないのだが、
そこには、社会格差や上流階級の身勝手さ、
また拝金主義など、
当時の暗黒面が散りばめられ、
御都合的には感じなかった。

さて、今回の鑑賞を通じて、
溝口映画の長廻しが、
この作品により深く浸るべく、
観客の鑑賞を手助けしてくれる装置に
なっているのではないだろうか、
との気付きにつながり、
昨今の場面展開の早い作品では失われた、
観客に寄り添った作風ではなかったのか、
との想いにも至った。

それにしても、この作品の原作は、
井原西鶴の「好色一代女」ということだが、
内容は当時の社会状況に翻弄された
ある女性の一代記に過ぎず、
何をもって“好色”なのか、
現代と当時の認識の違いなのか、
または、単なる言葉の意味する違いなのか、
私には分からないままだ。

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KENZO一級建築士事務所

4.5田中絹代の演技と美しさに圧倒された

2022年1月25日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

悲しい

田中絹代というと小柄でかわいい、というイメージが強かったのですがこの映画の彼女の堂々とした演技に感動しました。当時40代前半の彼女が10代から50代までを演じています。娘時代の彼女に違和感もなく、その時々の年齢、身分、立場、心持ちに応じた化粧、髪、着物、着付け、歩き方、話し方と声が変わらずお春になっていて見惚れました。夜鷹の田中絹代は凄みがありました。

あまりにアップダウンが激しい人生なので、今、この芝居をやったらついていけないか、笑ってしまうようなものになると思う。でも田中絹代の演技がそれをさせなかった。たまたま美しく生まれ、正直で芯がありつつ柔軟で優しい性分だっただけで辛い思いをせざるを得なかった理不尽が充分に伝わった。生き抜くしたたかさもあって、白馬の王子も機械仕掛けの神様も居そうで居なかったのがリアルだった。

出演者は絢爛豪華、それぞれの個性が生きていて笑える箇所もあって楽しかった。沢村貞子が上方の奥さんなんてなかなか見ることできないと思ったし、髪のくだりは可哀想ながら笑えた。沢村貞子の弟の加東大介も出ていたなあ。上方がメインの舞台だけあって浄瑠璃や太棹三味線の音色がお春の人生の伴走になっていた。江戸の城で、桐竹紋十郎が一人遣いであっても人形を遣う場面があって嬉しかった。演目は朝顔日記かなあ?(よくわからなかった)一目で恋に落ちた恋人同士の話で、深雪が盲目になったこともあってすれ違い、或いはわかっていても名乗れない状態。でもお嬢様の深雪は強い、髪振り乱して泳いで川を渡る!もともとお嬢様のお春も強い。どん底になっても逞しく与えられた環境で生きていく。田中絹代自身も。

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talisman

3.0見ていて辛くなる

2021年9月18日
iPhoneアプリから投稿
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ジョニーデブ
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