グラマ島の誘惑

劇場公開日:

解説

飯沢匡の戯曲「ヤシと女」を「暖簾」の川島雄三が脚色監督した異色喜劇。撮影は「底抜け忍術合戦」の岡崎宏三。音楽は「悪女の季節」(松竹)の黛敏郎。出演は「社長太平記」の森繁久彌、「フランキーの僕は三人前」のフランキー堺「恐喝(1958)」の三橋達也や、宮城まり子・八千草薫・淡路恵子ら。

1959年製作/105分/日本
原題:Temptation on Glamour Island
配給:東宝
劇場公開日:1959年1月15日

ストーリー

敗戦直前の昭和二十年、香椎宮家の兄海軍大佐為久と、弟陸軍大尉為永、それに御付武官の中佐兵藤惣五郎は、内地への帰途、乗船を撃沈され、報道班員で詩人の香坂よし子、同じく報道班員で画家の坪井すみ子、かつてこの島にいた興発会社々員の妻上山とみ子、佐々木しげに引率される慰安婦たち北川たつ、太田みよ、矢田もよの、内田まさ、名護あい等一団と共に南洋の孤島グラマ島に漂着した。全く孤立した生活、無能力な宮様、武官等三人の男性は、女達をつかって自給自足の日日をはじめる。その中で坪井報道班員を、弟宮は上山とみ子に引かれ、兵藤中佐は北川たつを愛人にする。だが、彼等の生活は順調には進まない。兵藤を後だてにした北川たつへの反感、インテリのプライドで使役に応じない報道班員とのイザコザなど、食糧がなくなればますます空気は険悪になる。ところが少し頭の悪い沖縄生れの名護あいが妊娠した。赤ン坊はすぐに死んだが、兄宮の子供だと云う。その頃、孤立していた報道班員たちが、米軍の落した給与品をもって訪れ、女たちを煽動したため、弟宮は兵藤と共にとらえられてしまった。脱出した兄宮は、墜落したB29の残骸からピストルを発見、これを武器として兵藤は女たちをおどかすが、現地人ウルメルによって反対に殺される。兵藤が死んだので、宮様と女たちは民主的な「自治運営委員会」を結成、皇族はその権利をすてて組織的な生活がはじまった。島にはようやく平和な空気がよみがえったが、兄宮はあい子と共に島を脱出して行った。それからだいぶたったある日、アメリカ軍が上陸して、戦争が終ったこと、兄宮が無事帰国していることを告げ、ウルメルと結ばれたとみ子を残して、一同は引き上げた。その後数年、坪井すみ子の書いたこの島の生活記録がベスト・セラーとなり、今は新しい生活に入った為久、為永を驚かす。ちょうどその頃、問題の孤島--グラマ島の上には、アメリカの実験する原子爆弾が巨大なキノコ雲をうち上げていた。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

2.0わからん。

2019年11月15日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

政治的意味を含んだコメディーがいまいち好きになれない。森繁さんのトボけた宮さんは笑えるけれど。
最後の水爆からの十字架シーンが印象には残るが、チープと言うしかない。

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さすまー

4.0神がかった森繁の喜劇演技

2015年4月3日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

知的

凄いな!…単なるドタバタ喜劇と思わせながらも、その中身には様々なメッセージが隠されている。
それは、民主主義制度の成り立ちであり。天皇制に対する強烈なる皮肉。
そして核廃絶。

ところが最初から観客の心を乗せて笑わせ、最後まで突っ走る確かな演出力。

もう脱帽です。

その内容と製作年度を考えたら恐ろしい位ですね。

恐ろしいと言えば、この頃の森繁久弥の喜劇演技は神がかってさえいますね。

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松井の天井直撃ホームラン

3.0戦後日本社会の縮図

2014年6月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

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佐分 利信
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