悲しき別れの歌

劇場公開日:

解説

石坂洋次郎原作“別れの歌”より「帰郷(1964)」の西河克己と智頭好夫が共同で脚色、西河克己が監督した青春もの。撮影は「愛と死をみつめて」の萩原憲治。

1965年製作/94分/日本
原題:Song of Farewell
配給:日活
劇場公開日:1965年3月20日

ストーリー

母の葬儀を終へ、ゆり子は恋人信太郎を見送りながら、永遠に別れる決意を固めた。ゆり子の心に、風見信太郎との楽しい思い出がよぎっていった。ゆり子は洋裁学校に通うため、北国から上京してまもなく、県人会の席で、風見信太郎に出会った。医学部に通う正義感の強い信太郎の魅力はゆり子にとってすがすがしいものであった。開業医の父の跡を継いで、帰郷するという信太郎に、ゆり子は好意を抱いた。だがそんなゆり子に、好意を抱きつづけてきた矢吹健次郎は、淋しさをかくすことが出来なかった。一方女子大生川村秀子は、以前から健次郎が好きであったが、ゆり子の冷い態度を見て、ゆり子に宣言すると健次郎のもとへ走った。さけては来たものの、ゆり子の心に、健次郎が離れてゆく淋しさが残った。急に帰省することになったゆり子は、久し振りの一家団楽に、信太郎の話をして声をはずませた。だがゆり子は、信太郎からの手紙が、母はる子に盗み読みされているのを知り愕然とした。はる子は、弱りゆく身体に、今大きなショックを受けていた。ゆり子が話すM市で医者をする風見といえば、かつてのはる子の恋人だったのだ。奇しい因縁にはる子は、驚ろくのだった。冬休みゆり子は、風見家を訪問した。楽しい滞在をうれしそうに語るゆり子の、「でもお母さんが何か淋しそうだった」という言葉に、はる子は一瞬ひるんだ。はる子は、青春時代、風見を愛しながら、正雄のもとへ嫁いで来た。誠実に愛しつづけてくれた正雄にはる子は、感謝していた。死ぬ真際、母から聞かされた秘密に、ゆり子は、「私は私の道をゆくだけ」と割りきったものの、母の秘密を知りながら淡々と母を愛して来た父正雄の心を見た時、ゆり子は理屈でなしに、信太郎と別れなければならないと痛切に感じたのだった。

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