女のみづうみのレビュー・感想・評価

随分と前に観てから、更に画質が劣化しているような…
今どき大変貴重なフィルム上映は、とても有り難いのではあるが…
あの日本映画史上、最も美しいオープニングも、ついついフィルムの傷に目がいってしまう。
こんなカッコいい映画、4Kリストアせにゃ絶対アカンでしょ！
オープニングからラストまで、全てのショットが本当に、本当に素晴らしい。
あのカッコいい構図が出てくる度毎、思わず「お〜」と唸ってしまう。

そして、なんてたって、あの岡田茉莉子の背徳的な美しさ！
間違いなく国宝だよ！国宝！
森英恵の衣装も最高！
本当にフォトジェニック＆スタイリッシュ！
歩いているだけでも魅入ってしまう。

不穏な緊張感を一貫してラストまで支えた劇伴のミニマル・ミュージックも素晴らしい。
音と映像が過不足なく最適化して交わり一体化している。

今、最も再評価されるべきは、小津安二郎でも黒澤明でも、大島渚でもなく、間違いなく吉田喜重だと思うのだが、巷では一部の映画マニア以外では、あまり盛り上がってないような…
こういうのも結局、海外での再評価＆逆輸入でないとダメなのかね…
結構、前にポンピドゥでやってたけど、カンヌでもレトロスペクティヴ、大々的にやってくれないかな。

カメラワーク以外に印象が残らない映画。