俺たちの血が許さない

劇場公開日:

解説

松浦健郎の原作を竹森竜馬、細見捷弘、伊藤美千子が脚色「肉体の門(1964)」の鈴木清順が監督したアクションもの。撮影もコンビの峰重義。

1964年製作/97分/日本
配給:日活
劇場公開日:1964年10月3日

ストーリー

浅利源治は、ヤクザの縄張り争いがもとで凶刃に倒れると「子供だけは真面目に育ててくれるよう」言い残して息をひきとった。それから十八年、二人の兄弟は女手一つで立派に育てられていた。兄の良太は一度はヤクザの道に入ったものの、今はキャバレーの支配人をする親孝行な青年であった。弟の慎次はサラリーマンで明るい青年で、会社の同僚片貝ミエとのデイトにうつつをぬかしたり、ヤクザに憧れをもつ青年だった。夏祭りの夜、浅利家を一人の男が訪れた。飛田丑五郎と名乗るこの男は、十八年前、兄弟の父源治を刺したのだ。父の仇とはやる慎次を、兄の良太はさえぎった。数日後、会社の慰安旅行にいった慎次は丑五郎と再会し意気投合した。旅先の暴力沙汰が因で会社を馘になった慎次は、丑松のもとにゆき浅利組の再興を夢みていた。数日後、兄のキャバレーに行った慎次は、兄からこんな場所に出入りしないよう諭されたが、慎次はヤケ酒の勢いで暴れ始めた。その夜バーには、良太の大切な客難波田会長が来ていた。難波田が帰ったあと、良太は秘書の郷田ヤスエから、慎次が難波田につれ去られたと聞き、不安に襲われた。良太は母にかくれて、難波田の命令で麻薬の仕事をしていたのだ。弟だけはこの道に入れない、良太の強い意志でつれ戻された慎次は、自分の中にはヤクザの血が流れているんだ!と苦悶した。一方、良太はヤスエと近く結婚する予定だったがヤスエから、自分は難波田から派遣されたスパイだと告げられ愕然とした。そのヤスエは、翌日難波田によって殺害された。ヤクザの世界に絶望した良太は足を洗おうと決意した。ミエの誕生パーティの夜、良太を待ちわびる慎次のもとに、良太の使いと称する若い男が、慎次を難波田の所へ連れていった。逃走を続ける良太を呼びもどそうとする難波田の計略であった。三人の部下に監視された慎次は、ヤスエの実家に立ちまわった。難波田の子分に囲まれた家に、良太が訪れた。左右に分れて逃げろ!兄弟はピストルを手に拳銃戦を展開した。弟をかばって、最後の一人を射抜いた良太は力つきて草むらに没した。慎次の痛々しい姿が月光に照らされていた。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.0らしさが出てきた

2023年5月17日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

兄(小林旭)はキャバレーの支配人、弟(高橋英樹)はサラリーマン、二人が子供の頃、ヤクザだった父は殺されていた。
暴力沙汰で会社をクビになった弟は兄を訪ねるが、兄は弟を堅気の世界に置いておきたかった。
随所で鈴木清順監督らしい、訳の分からない演出が施され、最後の銃撃戦もどこから弾が飛んでくるのかわからない感じ。
いずれにしろ、この二人が出てくるシーンは演出不要かも。

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いやよセブン

3.5ヤクザな兄弟愛

2021年5月11日
iPhoneアプリから投稿

悲しい

楽しい

興奮

クールでしっかりした兄とヤンチャで能天気な弟を小林旭と高橋英樹が演じる、表と裏の顔を持つ兄と明るくて破天荒な弟、兄を信頼し弟は心配のタネな母親、亡き父親はヤクザの組長。

真っ当な道を歩んでるかに見えた兄弟に降り掛かる闇の組織、大袈裟に言えば哀しきモノを背負った兄弟が立ち向かい挫折するバッドエンドを少しのコミカルさで描いた話は面白い、雑で単純な演出が目立つ初期鈴木清順にしてはシッカリした物語があり、今リメイクしても通用する脚本と演出描写。

松原智恵子の美貌と愛嬌のあるキャラが引き立つ高橋英樹、クールで優しい二枚目な小林旭と役者陣だけでも魅了される中、鈴木清順が描く荒い男たちのヤクザな物語が冴えマクる。

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