男はつらいよ 寅次郎純情詩集のレビュー・感想・評価
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連作中、上位。
好悪差が激しい本連作の中で上位。
死がテーマ。
肝心な場面の省略良し。
肉体派京マチ子を逆に病弱箱入りに据えた狙いのハズしが惜しい。
山田好みのヒロインの典型を体現する檀ふみ、こんなに可愛かったのか。
全編泣き我慢の倍賞の可愛さを愛でる。
推す。
先生という当時のステータス
前作の反応で分かったのか、寅さんの恋愛〜失恋がど真ん中というストーリーから離れてきたいい距離感になってきたのか。
まぁ、寅さんも年齢が上がってきて色恋で盛り上げていく世代からは上がってきた事もあるからだろう。
寅さんシリーズを見ていて毎回気づきを見つけている。
ここが見どころでもある。
一番は金銭価値。この当時は今の1/6ほどなんだと換算して見ているとおもしろい。
その時代、既に自分が生まれて幼少期だったと思うとおそろしい😅
他には大卒のステータス、一流企業に勤める事、車を持つ事、今じゃ当たり前になってる事ばかりが当時は夢であり憧れ。
そこに向かって頑張ってきた国民。
今回思ったのは教師という立場の高さだ。
先生と言う事で年齢の上下関係なく、誰もが尊ぶ。
おじさん、おばさんも、保護者も、例えキャリアの少ない若手先生でも先生は先生なのだ。
それなのに今はそんな立場もステータスも感じる事は少なくなり、半世紀のうちに社会は変化してるなぁと痛感する。
昭和と今の比較を楽しむの事が出来るのも寅さんシリーズの醍醐味だ。
Vol.18 今回は悪い寅次郎炸裂。 ・家庭訪問騒動、博の怒り爆発...
Vol.18 今回は悪い寅次郎炸裂。
・家庭訪問騒動、博の怒り爆発「僕にも言わしてくれよ、たまには」
・旅先での無銭飲食、夢のオヤジ本編登場。
・源公をこき使う寅
おかあさん、京マチ子の登場シーンに爆笑。夕食前のお祈りにも爆笑。
しかしあまりに唐突であまりに切ない失恋。マドンナ檀ふみの語りが切なさに拍車をかける。さらに定番、さくらとの別れが切なさにとどめを刺す。とても正月映画とは思えない(笑)
ラストに救われます。檀ふみ、死んだ親父が好きだったなぁ。知性が笑顔に溢れている。もちろん私も大好きです。息子の嫁に欲しい(笑)
京マチ子、檀ふみ母娘と「寅屋」のみなさんとの心の交流を描く。終盤で京マチ子が病気で他界してしまう。登場人物の死は山田洋次作品では多用される手法だと思う。
BSテレビ東京で映画「男はつらいよ 寅次郎純情詩集」を見た。
劇場公開日 1976年12月25日
渥美清48才
倍賞千恵子35才
ゲストの檀ふみ22才
京マチ子52才
檀ふみはさくらの息子の小学校の先生。
若くて背が高くて綺麗。
京マチ子、檀ふみ母娘と「寅屋」のみなさんとの心の交流を描く。
終盤で京マチ子が病気で他界してしまう。
登場人物の死は山田洋次作品では多用される手法だと思う。
上映時間は104分。
満足度は5点満点で3点☆☆☆です。
笑って泣けた、珠玉の名作です♪
最新作となる第50作目「男はつらいよ お帰り寅さん」の公開が控えて、過去作のリバイバル上映が連日されている中、今回は「MOVIX亀有」で第18目となる「男はつらいよ 寅次郎純情詩集」を鑑賞。
で、感想はと言うとやっぱり良かった♪
どの回の作品でも寅さんが劇場で観れるのが嬉しいけど、日曜日とあってお客さんも結構入ってたし、映画を観ながら楽しい場面では場内で笑いが起きるのは古き良き映画の正しい鑑賞作法みたいでなんか嬉しい♪
寅さんは観る側にも懐かしさを届けてくれます。
今回のあらすじは久し振りにとらやに帰ってきた寅さんは偶然、甥の満男の家庭訪問に訪れた若い女の先生に上機嫌になり、余計な口を挟む事で博を怒らせ、皆が同調する事でカッとなり、とらやを飛び出す。
旅先の長野で以前に出会った旅一座に偶然出会い、気前良く振る舞うが手持ちの金は足りなく、警察の厄介になり、身柄と金銭の支払いで妹のさくらに長野県警から連絡がいく。
とらやに帰ると満男の先生の母親の綾に出会い、一目惚れをし通い詰めるが、綾の様態は悪くなっていく…と言うのが大まかな感じ。
今作は今から43年前の作品で割りと珍しい演出もあって、その意外性が楽しめました。
・義理の弟の博を怒らせた。
・警察のご厄介になった。
・今回の寅さんの惚れた相手が年上。
他の回でもあったかも知れないが、前田吟さん演じるあの温厚な博が呆れる事はあっても怒ったのはあんまり記憶にない。
また、いろんな悪い事があっても警察のご厄介になるのも記憶にない。それも確信犯w
今回の寅さんは良く言えば子供の様に天真爛漫だけど、悪く言えば、ちょっと調子に乗り過ぎw
でも、そんな天真爛漫な寅さんが今回のマドンナの綾にはとても魅力的に写ったんでしょうね。
今までのマドンナは同年代か年下。年上であっても殆ど変わらないぐらいなのに、マドンナの綾はどう考えても寅さんより少なくとも5歳以上は上。
年上のマドンナはシリーズ唯一。
綾を演じる京マチ子さんは昭和を代表する名女優で演技や雰囲気、佇まいは流石の一言。
今年の5月にお亡くなりになられてますが、圧巻の演技でこれまでのマドンナとはまた違った魅力を醸し出しています。
娘の雅子を演じるのは檀ふみさん。初々しい感じで可愛らしい。今回はある意味ダブルマドンナでもあります。
京マチ子さん演じる綾が日に日に弱くなり、亡くなるのはショックではありますが、寅さんの献身的な愛が身に沁み、綾がとらやで食べた芋の煮っころがしを食べたいと聞いた寅さんが八百屋で山程のじゃがいもを買ってくる所は笑いながらも寅さんの一途さを感じます。
柴又駅での寅さんとさくらのラストは物凄く良い。
柴又駅での寅さんとさくらの別れのラストは他の作品でも度々出てきますが、好きなパターンで柴又駅の情緒と美しさが際立つ屈指の名パターンかと思います。
今までの寅さんよりグッと泣かす場面が多い感じですが、その分前半の無邪気さとの対比でより際立ちます。
また御前様や源ちゃん、博さんの活躍が多いのもなんか嬉しい♪
源ちゃんの子分っぷりと寅さんを慕う気持ちが感じられるし、あれだけ怒ってた博さんが無線飲食で帰ってくる寅さんを庇う気持ちも良い。
寅さんが皆大丈夫なんですよね。
どの寅さんも大好きで、どの回も観る度にその良さを満喫しますが、今回のお話しはバカな寅さんに笑い、真っ直ぐな寅さんに泣かされました。
やっぱり「男はつらいよ」は良いなぁ♪
12月26日まで様々な回の記念リバイバル上映でMOVIX亀有ではお昼12時の回のみの上映ですが、出来るだけ機会があれば観に行こうと思います。
ダブルマドンナと人の死について。
「男はつらいよ」シリーズ第18作。
Huluで「HDリマスター版」を鑑賞。
本作の特徴とは、ダブルマドンナ制を導入したこと。
京マチ子と壇ふみ―お美しいふたりが親子役で共演。
とらやに帰って早々、家庭訪問に来た満男の担任・雅子にホの字の寅さん。美人の前でいい格好をしようと、満男の学校生活を聞きたい両親の邪魔ばかりするその態度に、博の堪忍袋の緒が切れた! 珍しく寅さんに面と向かって言いたいことをぶちまけました。拗ねた寅さんはいつもの如く旅へ…。
その頃、3年もの間入院していたという雅子の母・綾が退院しました。久し振りの外の風景にいちいち涙を流したという綾―。とらやに団子を求めに来たところへちょうど寅さんも帰宅していて、懐かしい再会となりました。寅さんと綾は昔なじみの関係だったのでした。綾のことを「出目金」と言ってからかっていたとか…(笑) 目に浮かぶよ…。
「お兄ちゃんもいい歳なのよ。真面目に結婚していたら雅子さんみたいな娘がいてもおかしくないじゃないの。雅子さんのお母さんに惚れるならまだしも…」とさくらに怒られたばかり。その言葉の通りに(?)綾に惚れた寅さんなのでした…(笑)
ところが、綾には秘密が…。
病気は治る見込みが無く、残りの命を好きなように生きさせなさいと、担当医が雅子に綾の退院を勧めたのでした。
その後の展開は涙無しに観ることは出来ませんでした。もしかすると、綾は退院した時点で自分の死期を悟っていたのかもしれませんなぁ…。これで見納めだからと、久し振りの柴又の風景などに涙を流した…。
綾を元気付けようと見舞いに行ったり、病床で「とらやで食べたイモの煮っ転がしがもう一度食べたい」と綾が言っていたと雅子に聞くや、大量のおイモを買ってさくらにつくらせようとした寅さんでしたが、“そのとき”は予想だにしないタイミングで訪れて…。
「人は何故死ぬのでしょう…」
難しいテーマだなと思いました。
いずれは、誰にでも訪れる運命…。生物の仕組みだと言ってしまえばそれまでですが、いざ死ぬときになってみて、幸せな想い出に包まれていたらいいな、と…。そして自分が生きていた証が、ちょっとでも誰かの中に残っていてくれたら…。
人が生きている意味とか役割とか、哲学的な問いにおいそれと「これだ!」という答えを出すことはできませんが、寅さんのように自分の想いのまま、自由に伸び伸びと生きていくことができたら、その答えとやらに近づけるのかしら…?
取り留めも無い拙文をご容赦下さい…。
本当にとらやのみんなはあったかくて優しいね。 こんなにいい人達がい...
本当にとらやのみんなはあったかくて優しいね。
こんなにいい人達がいるから寅さんも無茶苦茶出来るんだよね。なんか泣けて来たよ。
浦辺粂子懐かしい。。。この時点でお婆ちゃんなんだね。でも演技は上手いね。
人間は何故死ぬのでしょう…?
シリーズ18作目。
OPの夢は、北アフリカの港町。“アラビアのトランス”の元に、日本から兄を探しに妹が訪ねて来て…。
前作の『JAWS』同様、名作洋画(『カサブランカ』)のパロディー。
今回寅さん、序盤からさくらたちに迷惑掛けっ放し。
産休中の担任教師に代わり、大学を出たばかりの若く綺麗な先生・雅子が満男の家庭訪問に。
当然の如くこういう時に帰ってくる寅さん。
さくらや博は満男の事で色々相談したいのに、美人の先生にポ~ッとなって、バカ話してしゃしゃり出る。毎度の大喧嘩。
旅に出た寅さんは、馴染みの旅一座と再会。大盤振る舞いし、金を払えず、警察にご厄介。さくらが迎えに行くが、さすがにもう呆れ果てる。
やれやれ…。
でも、今回ばかりは大目に見て上げて。
何故なら本作は、“悲劇”なのだから。
無銭飲食や家庭訪問の事で妹から叱られる兄。
真面目に生きてたら先生のような娘が居てもおかしくない。なのに、娘ほどの若い女性に惚れたりして…。先生のお母さんだったらまだしも…。
と、そこへ、雅子先生が母親を連れて訪ねて来る。(さくら、呆然…)
雅子の母・綾は、長らく入院していたが、晴れて退院。懐かしの場所を訪ねていた。
実は、寅さんやおいちゃんおばちゃん、タコ社長は全く知らぬ人ではない。
その昔、悪ガキだった寅さんやまだ工場の下っ端だったタコ社長にとっては、高嶺の花の存在だった良家の評判の美人お嬢様。
演じるは、大女優の京マチ子。
気品たっぷりながら、長い入院生活で世間知らずで子供のように純真。軽妙に愛らしく演じている。
雅子役は、壇ふみ。その若々しさ、美貌は特筆モノ!
今回は母娘の贅沢なWマドンナ。
すっかり綾に一目惚れの寅さん。
お屋敷に招かれては豪勢な洋食を戴いたり、
ピクニックに出掛けたり、
とらやに招いて素朴な田舎料理を振る舞ったり、
一度も働いた事が無いという綾の為にどんな仕事が似合うか皆で楽しく談笑したり…。
そんな楽しい幸せな日々は束の間…。
ある日さくらは雅子から、母が余命僅かである事を知らされる。
実は退院も残り僅かの日々を自由に生きて欲しい為に…。
次第に綾の体調が悪くなっていく。
そして、その時が…。
序盤の旅で再会した旅一座の演劇の台詞、綾のある台詞が本作を物語る。
「人間は何故死ぬのでしょう…?」
生きとし生ける者には限りある生命がある。
仕方のない事。
でも、単にそれだけでは納得出来ない、言い表せられない、不条理なものを感じる。
突然そして呆気なく訪れた最期の時、
終盤の寅さんと雅子の会話、
再び旅立つ前の寅さんとさくらの会話…。
涙ナシには見られない。
マドンナが死ぬという初めての展開。…いや、唯一。
もはや喜劇ではなく、悲恋劇。
が、ただ悲しいだけじゃなく、束の間だが人と人の触れ合い、幸せ、しみじみと、温かな感動。
個人的には、珠玉の一本!
素晴らしかった
檀ふみが大変かわいかったのだが、彼女にぽーっとなる寅にさくらが「自分の娘でもおかしくない年の子なのよ」とびしっと言っていた。
京マチ子の余命が長くないことをさくらだけが知っていて、常にそれを抱えている様子がすごかった。京マチ子が亡くなってからの寅のうろたえぶりが尋常でなくて、見ていて切なくなった。これまで見てきた中で、最も悲しい回だった。
冒頭は『ジョーズ』のパロディだった。
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