うしろの正面だあれ

劇場公開日:

解説

東京大空襲によって家族を失った少女が自立していく姿を感動的に描くアニメ。海老名香葉子原作の同名小説の映画化で、脚本・監督は「火の雨がふる」の有原誠治。共同脚本は今泉俊昭。作画監督は小野隆哉がそれぞれ担当。

1991年製作/90分/日本
配給:スペース映像
劇場公開日:1991年3月9日

ストーリー

昭和15年。東京本所区(現・墨田区)に住む八才のかよ子は、五代続いた釣竿店の娘で、働き者の両親と、三人の兄、祖母の愛情に包まれて、明るく健やかに育っていた。昭和16年、弟の誕生に姉である喜びを実感するかよ子だったが、12月8日、日本は太平洋戦争に突入し、町には出征兵士を見送る光景が見られるようになる。昭和19年6月、B29爆撃機の来襲が頻繁になり、かよ子はたった一人で沼津の伯母の所へ縁故疎開することになる。そして、昭和20年3月9日の夜、沼津で箱根の山脈ごしに真っ赤に燃える東京の空を見るかよ子は、この大空襲で父も母も兄二人と弟、祖母の家族六人が死んだことを、唯一生き残った兄・喜三郎から聞かされるのだった。そんな絶望の中で敗戦を迎え、親せきの家を転々としたかよ子は、本所の焼け跡で思い出の品の残骸を拾い、かつてこの辺りで「うしろの正面だあれ」と歌って遊んだ友達や家族のことを想い、泣き続けた。そんな時、ふっと「かよ子は明るく人に好かれる子だからだいじょうぶ。自信をもたなきゃね」と、いつも励ましてくれた母親の言葉がよみがえってくる。そして、この言葉をかみしめながら、死んだ家族のためにも生き抜こうと決心したかよ子は、明日に向かって一歩一歩踏みしめ、歩きだすのだった。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

映画レビュー

4.0今観てもよく動き綺麗なアニメーション

2023年11月9日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:試写会、映画館

泣ける

単純

当時の平和学習を軸にした同様の作品群の中では頭一つ抜け出た作品。お年寄りから子どもまで観られる内容で今観ても、綺麗なアニメーション、正直「ほたるの墓」よりは見易いし反戦や平和学習を考えるならこの作品で良いのではと思う。
戦争で…家族を失う辛さはしっかり伝わるから子どもを持つ家族での鑑賞をお薦めしたい。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
うにたん♪(何観ても文句書きそうな気分)

4.0昭和10年代の東京下町の丁寧な描写がいい

2022年8月8日
iPhoneアプリから投稿

海老名香葉子さんの自伝ベースで、語りにも登場されている。子どもたちの遊びや食事、木場の様子など、丁寧に戦前の東京下町が描かれていた。
この世界の片隅に、などの片渕さんがレイアウトなどを手掛けていたそうで、描写に後の作品とのつながりも感じられる。
観られて良かった。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
kawa

4.0「うしろの正面だあれ」の使いどころにゾワッときた。

2022年8月7日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

「うしろの正面だあれ」の使いどころにゾワッときた。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
御納戸色
関連DVD・ブルーレイ情報をもっと見る