アマカラ珍騒動

劇場公開日:

解説

山下敬太郎と小笠原久夫の協同製作で、有崎勉の原作を「影を慕いて」の山下與志一が脚色し「私刑」の中川信夫が監督に当った青柳プロと新東宝の提携作品。配役陣には「恋愛台風圏」の柳家金語楼、「暁の追跡」の野上千鶴子、「エノケンの豪傑一代男」の渡辺篤の他、ディック・ミネ、森繁久彌、昔々亭桃太郎、並木一路、木戸新太郎等の笑劇メンバーが出演している。

1950年製作/86分/日本
配給:新東宝
劇場公開日:1950年11月11日

ストーリー

かつて外地で官庁の局長まで勤めた下山金太郎は今は職を失い妻の幸江とも別れて、娘ハル子と暮していた。ある日偶然、銀行破りの強盗犯人を捕まえたとき、昔の部下の坂本と再会し、彼の世話で撮影所の守衛の職にありついたが、ハル子には隠していた。ハル子は勤めのかたわら由利歌謡曲研究所で歌の勉強に励んでいたが、その可憐な容姿が認められて父の勤務先の映画会社にスターとして招かれた。ハル子は父の反対を恐れて、女優になったことを秘密にしたので親子二人はお互いに知らずに同じ撮影所に通うことになった。めまぐるしい撮影所で新米の金太郎は失敗を繰り返しては組長の村田に叱られ、ハル子も慣れない仕事に人知れず涙を流したが若い背景画家の井川といつか恋し合うようになった。新聞の強盗逮捕の記事で夫の様子を知った幸江は坂本を訪れ、金太郎とハル子の消息を知って撮影所を訪れた。折しも金語楼映画製作中の撮影所では、金語楼と金太郎が瓜二つなため、幾度も人違いが起った。時を同じくして、都内を荒し廻った強盗が撮影所内に逃げ込み、セットにもぐって大騒動となった。御用提灯の十手捕縛連や、オートバイの武装警官隊、はては丹下左膳から姿三四郎、鞍馬天狗までが飛び出して追いかけたが強盗は捕まらなかった。ましても金太郎が怪我の功名をたてたが、この混乱の最中に、ついに父娘は秘密の職業がバれてしまった。幸江と金太郎夫婦の蟠りも、金語楼の仲介で無事にとけた。やがて、ハル子のデビュ作品が完成し、ハル子と井川の結ばれる日も近づいた。

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