悪霊島のレビュー・感想・評価
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根岸季衣のミニスカート姿に驚いた。 岸本加世子の遺体の描写が猟奇的でそこだけがホラー映画のようだった。 室田日出男、古尾谷雅人、伊丹十三、 もう鬼籍に入ってしまった俳優たちが懐かしい。
劇場公開日:1981年10月3日
1981年製作/131分/日本
配給:東映=日本ヘラルド
鹿賀丈史
室田日出男
古尾谷雅人
中尾彬
伊丹十三
石橋蓮司
岩下志麻
佐分利信
岸本加世子
中島ゆたか
根岸季衣
大塚道子
二宮さよ子
宮下順子
原泉
武内亨
嵯峨善兵
氏家修
草間正吾
鷹瀬出
浜村純
多々良純
篠田正浩監督
動画配信で映画「悪霊島」を見た。
鹿賀丈史が金田一耕肋を演じていたとは知らなかった。
根岸季衣のミニスカート姿に驚いた。
岸本加世子の遺体の描写が猟奇的でそこだけがホラー映画のようだった。
室田日出男、古尾谷雅人、伊丹十三、
もう鬼籍に入ってしまった俳優たちが懐かしい。
石橋蓮司はほとんどセリフが無かった。
映画序盤で「鵺の鳴く夜は恐ろしい…」と言い残して死んだ人や、
行方不明になった父親を捜す兄弟や、中島ゆたか、二宮さよ子、宮下順子
は必要な役柄だったのかなと思った。
満足度は5点満点で3点☆☆☆です。
鵺の鳴く夜の金田一
Amazonプライム・ビデオで鑑賞。
原作は未読です。
原作は横溝正史の最後の長編小説となりました。
角川書店の雑誌「野生時代」に連載後単行本化され、すぐさま角川映画によって本作が製作・公開されました。
「犬神家の一族」のヒットによって自ら到来させた爆発的横溝ブームも下火になり、原作者が逝去した直後のタイミングで公開された本作は、ブームの掉尾を飾るには少々物足りない出来じゃないかなぁ、とは思いましたが、金田一映画としては異色の仕上がりだったことは間違いないかと…。
オリジナル要素として、三津木五郎がジョン・レノン殺害のニュースに触れたことで、若き日に遭遇した事件の回想をすると云う導入部が追加されただけでなく、日本の土着的雰囲気が強いはずの本作の主題歌に、ビートルズの名曲「レット・イット・ビー」を使用していて、角川春樹らしいアイデアが光っていました。これが不思議と合っているのだからすごい。
"ディスカバリー・ジャパン"を前面に押し出していた、市川崑監督が手掛けたシリーズのカラーは継承しつつも、斬新な試みを取り入れた本格ミステリー映画の監督に、メジャー大作だけでなく前衛作品も多く手掛けているイメージのある篠田正浩を起用しているのも、かなりの意外性があるなと思いました。
島の風景や事件の凄惨さを静謐にフィルムに収め、監督の妻である岩下志麻を美しく妖艶に捉える芸術的カメラワークを披露したのは、日本が世界に誇る名キャメラマン・宮川一夫。溝口健二監督からも信頼されたその職人技で、市川崑監督シリーズとはまた違った格調を表現しているように感じました。
物足りなかったのは、ミステリーとしての出来映えでした。
舞台設定は、因習の残る孤島、憎み合う二大旧家、複雑な人間関係、忌まわしい過去の因縁…と云った横溝作品の集大成のような要素が満載で、めちゃくちゃワクワクしました。
しかし、原作をまだ読んでいないのでどう云う改変が行われているかは分かりませんが、途中で真相の一端が簡単に予想出来てしまったことが残念だなぁ、と…。映像化の弊害かも。
不思議な余韻と共に、去り行く一つの時代と金田一
原作は横溝正史最後の長編小説。
金田一にとっても『病院坂の首縊りの家』と共に晩年の二大難事件の一つ。
原作を読んだのはだいぶ昔。
本作を見たのもだいぶ昔。VHSで。
その後また見たいと思い、近場のレンタル店を散々探し回ったが、見つからず。
そしたらつい先日、U-NEXTで発見! チョー嬉しい!
早速見ちゃったね。
金田一は電車の中でヒッピー青年・五郎と出会い、彼は瀬戸内海のある島へ行く船に乗るという。
金田一もまたある依頼でその島に向かっていた。
島で、別件の捜査で来ていた旧知の磯川警部とばったり。
警部から依頼者が転落死し、謎めいた言葉を残した事を知らされる。
「あの島には悪霊が憑いている…」
五郎が島を訪れた理由、金田一への依頼、警部の事件…。
島に蠢く人間模様、纏わる因縁、そして…。
一体何が起きようとしているのだ、この刑部島で…。
事件から10年後、TV局のプロデューサーとなった五郎の回想を導入部とし、物語が始まる。
横溝正史最後の作品なだけあって、これまでのエッセンスを凝縮。
閉塞された封建的な孤島、おどろおどろしく血なましく、愛憎と哀しさと…。
ミステリーのキーでもある“シャム双生児”、キャッチコピーの“鵺の啼く夜に気を付けろ”が不気味さを盛り上げる。
横溝ミステリーの王道。
確か原作は上下巻の大長編篇。今となっちゃあ細かい所はうろ覚えだが、多少脚色されてはいるものの、あの大長編をよく忠実に簡素化して見易くしたもんだ。
公開された1981年は(ちなみに私が産まれる一年前)、金田一映画ブーム終焉の頃。
この後専らTV作品となり、次の映画作品は15年後の1996年の市川崑監督の『八つ墓村』まで待たなければならない。
云わば、区切りでもあり、一旦最後の角川金田一映画。
監督は篠田正浩。芸術作品に手腕を発揮している篠田監督にとって初の本格ミステリー。手堅く纏めてはいるが、同じ金田一題材でも市川崑ほどの才は感じられず。
が、名カメラマン・宮川一夫による映像、湯浅譲二の音楽は効果を上げていた。
弱かったのは見易くしたあまり、トリックなどが薄々感付いてしまった脚本。真犯人の設定である○○。だって、一度も一緒に映った事が無く、いつも台詞上のみ。これじゃあ察しが付く。この設定、映画だけらしいが、吉と出たか凶と出たか。
豪華で個性的でユニークなキャストは楽しめる。
金田一は鹿賀丈史。飄々とした金田一像は石坂や古谷にも劣らず、個人的には歴代金田一の中でもお気に入りの一人。本作一本だけだったのが残念。
物語のキーマンである五郎役に古尾谷雅人。見てる時にふと気付いたが、この人、ジッチャンと孫、両方出た事になるね。
磯川警部に室田日出男。
陰陽の双子の娘役に、岸本加世子。
島の有力者に、金田一作品常連の佐分利信。
島出身で、島をレジャーランド化する計画を推進するアメリカ帰りの富豪に、伊丹十三。
中でも強烈インパクト残すは、監督夫人であり、巴御寮人役の岩下志麻。時にしっとりと、時に妖艶に、時に野村版『八つ墓村』の小川真由美に匹敵する恐演。
本作でとりわけ話題にされるのは、「レット・イット・ビー」などビートルズの楽曲が主題歌に使用されている事。
これが権利上の問題で暫くソフト化されず、見たくても見れなかった理由。
やっとソフト化されたものの、ビートルズの楽曲はカバー。確かにオリジナルではなかった…。
冒頭、TV局で働く五郎の元にジョン・レノン暗殺のニュースが入る。
奇しくも本作完成直後に原作者、横溝正史が永眠。
作品のラストシーン。島を去る五郎と磯川警部は金田一を見掛け、声を掛ける。無音で、そこに「レット・イット・ビー」が流れる。
何とか言うか、一つの時代が去り行くような、非常に印象的なラスト。
人によって受け止め方あるだろう。
身の毛もよだつ事件だった。
でも、あの島に行き、あの人に出会って…
今思い返せば、懐かしく、ぽっかり心に穴が空いたような、何処か切ないような…
不思議な余韻が残る…。
横溝正史もの、金田一耕助ものの最高峰の映画 「犬神家の一族」、「悪魔の手毬歌」と並ぶ名作です!
レットイットビーが流れ、映画が終わろうとしたとき、嗚咽していました
感動です、それも圧倒的な
横溝正史もの、金田一耕助ものの決定版であると自信を持ってお勧めできる作品です
70年代の横溝正史もの、金田一耕助もの映像作品の一大ブームは、1975年に始まり1979年に終わりました
ATG、角川、東宝、松竹、東映から9本もの映画が公開され、テレビシリーズも数シーズンも放映されたのです
さしものこのブームにも、観客にも製作側にも飽きが来て沈静化しました
1979年の「金田一耕助の冒険」は角川映画としての終止符でした
パーティーの終了を自ら宣言したものでした
角川が自ら製作した金田一耕助ものの映画は、1976年の「犬神家の一族」とその1979年の「金田一耕助の冒険」の始まりと終わりの2作品だけです
それが2年後の1981年、本作が角川映画として公開されたのです
それまでの金田一耕助ものは全て戦後すぐの作品でしたが、本作の原作は1979年から1980年にかけて角川の小説誌で連載された全くの新作です
これが翌1981年5月に単行本となり、10月に映画化されて公開されたのです
本当のところ、原作者の横溝正史への慰労と感謝の意味を込めた新作長編小説の発注であったと思います
パーティーは既に終了したのです
大勢の客はすでに引き上げてしまい、大宴会場は後片付けが始まっています
ところがこの新作小説が、素晴らしい出来ばえであったのです
金田一耕助ものの集大成というべきもので、古い因習と現代との相克、淫靡さ、怪奇さ、過去の名作のエッセンスを散りばめたような舞台と物語の展開
もちろん映画化に好適な内容です
この頃には角川も映画製作の経験を積んでいたので、角川が自ら製作する、それも「犬神家の一族」のように出資だけでない本当の製作者としてこの小説を映画化するということになったように思われます
この頃の角川映画は、1980年の超大作の「復活の日」は今一つ大ヒットには至らず、続く「戦国自衛隊」も同様
ここらで夢をもう一度という状況でもありました
このような経緯で本作は映画化がなされたのです
本作は、1980年12月8日のジョン・レノン暗殺のニュース速報のシーンから始まります
原作連載中の事件でした
本作では主要登場人物の三津木五郎が、この1980年から1969年の事件を回想するという構成になっています
11年前の彼は、ビートルズに影響を受けたヒッピーであったから、そのニュースでかっての忌まわしい記憶が蘇ったという設定です
そして1969年のビートルズのヒット曲「ゲットバック」が流れて回想が展開されていきます
ラストシーンには「レットイットビー」が訳詞付きで流れます
これだけで莫大な使用権料が掛かっているはずです
もちろんどちらの曲もビートルズのオリジナルではありません
それでも使用権料は高額です
映画の展開に必要不可欠でない限り普通なら使用を回避する楽曲です
しかし観終わって感じることは、これらの楽曲は本作に絶対必要であったと言うことです
1969年の刑部島
源平合戦の昔から連綿と続く因襲の島
それと現代の人間との対比
それが音楽を流すだけでものの見事に達成されているのです
費用対効果でみるなら安いくらいです
序盤、「ゲットバック」が流れ近景の社寺、遠景の石油コンビナート、そして三津木のヒッピー姿の登場
このシーンだけで、松竹の「八つ墓村」で主人公を羽田空港の誘導員に設定して、現代と過去の因襲の村との対比を構成していったものを一瞬で解決してみせているのですから!
まさに一刀両断、鮮やかな演出としか言い様がありません
冒頭のレノン暗殺のシーンはこの為の導入であった訳です
しかし本作公開の約2ヵ月後の1981年の末に横溝正史が永眠しています
レノン暗殺のニュース速報のシーンは、今日の私達からすれば、映画公開後の出来事である横溝正史の永眠の衝撃を伝えているように見えてしまうのです
時系列からすればおかしいのは分かっていてもそう感じてしまいます
そしてエンディングの「レットイットビー」
歌詞の内容が本作のテーマとシンクロしています
現代人が失っているもの
それは静かで激しい拒絶だ
それへの心優しいメッセージなのです
そして因襲の島の事件が全て終わり、その島から金田一耕助が去っていくシーンに見事にマッチしています
しかし、この曲は1970年5月の発売です
つまり本作の事件があった1969年の夏よりも後の曲です
この曲はビートルズの事実上の解散1ヶ月後の発売でした
まさに祭りの後
全てが終わったという意味での考え抜かれた選曲だったわけです
波間に漂う打ち捨てられた神社の御輿
そして石油コンビナート
全てが、あるがままに拒絶できずに、過去は夢幻のように消え去っていくのです
金田一耕助もまた後ろ姿で消えていくのです
警察車両の中で三津木は彼の名を叫びますが、聞こえないのです
これで本当に横溝正史もの、金田一耕助ものは完全に終わってしまった
1979年のなんとなく不本意な幕切れではなく、完全燃焼しつくした
そんな満足感に包まれる本作の終わり方です
嗚咽させられたのは半分はその感動であったのだと思います
篠田正浩監督のまどろむことのない的確な演出、宮川一夫の目の覚めるような美しい撮影、端役にいたるまで見事な配役と演技
何より岩下志麻の美しさ!
41歳で、妖しい淫靡さを秘めた腰が抜ける程の美貌、肌の滑らかさ
この美しさが無ければ本作は決して成り立たなかったと思います
さらに名演振りは目を見張り感動を覚えるほどのものです
鹿賀丈史の金田一耕助は、どうしても石坂浩二や古谷一行の面影を求めてしまうので、中盤までは違和感を感じてしまいます
しかし、後半になればもう金田一耕助そのものだと受け入れているはずです
横溝正史もの、金田一耕助ものの最高峰の映画
「犬神家の一族」、「悪魔の手毬歌」と並ぶ名作です!
1981年の公開当時、本作は高林陽一監督の「蔵の中」と併映されました
こちらも横溝正史原作の作品です
金田一耕助こそ登場しませんが、横溝正史の世界観が濃密に表現されています
ぜひ併せてご覧ください
.
自宅(CS放送)にて鑑賞。大好きな横溝正史原作。11年前の架橋にJ.レノン暗殺から幕上げるが『Let it be(ビリー・プレストン版)』と『Get back(レオ・セイヤー版)』共にポールの曲(ジョンにも名曲あるのに)……ビートルズを使いたかったのだろうが公開時と違いカバー版で違和感増す。全体的にテンポのバランス悪く後半駆け足。篠田正浩監督、嫁の岩下志麻の撮り方よく判ってる。鹿賀丈史の“金田一”キャラが固まってない印象。佐分利信は存在感の割に体調悪そう。根岸季衣の黄色ミニスカートが眩しい。40/100点。
・鑑賞日:2011年6月12日(日)
ビートルズの「レット・イット・ビー」がテーマ曲になっているようだ...
ビートルズの「レット・イット・ビー」がテーマ曲になっているようだが、もちろんオリジナルのビートルズではない・・・誰が歌ってるのかと思えば「GET BACK」はビリー・プレストンで、「LET IT BE」はレオ・セイヤーだった。
金田一耕介役の鹿賀は、むしろ市川崑作品の石坂浩二よりも合ってるような気もするのだが、なにしろストーリーというか脚本がまずすぎるんだろう。双子や姉妹というのが一つのキーポイントになっていて、巴御寮人(岩下志麻)の娘である真帆と方帆(岸本加世子の二役)が2人で写っているシーンがあるのに、巴と姉ふぶき(岩下志麻?)は一緒に登場しない。これが不思議に思えて、結局オチが見えてしまうのだ。さすがにふぶきが淫乱だったことまではわからなかったが(笑)。
金田一に行方不明になった青木という男の消息を依頼した越智竜平(伊丹十三)も怪しかったし、彼の経歴や噂話(巴と恋仲だった)など、観客の推理をミスリーディングしようとする要素がいっぱいある。推理を邪魔するアイテムだらけで、結局は推理する楽しみがない作品なのだ。さらに、三津木五郎(古尾谷)の1981年のシーンから始まる回想録の形式を取っているので彼が犯人であるはずがない(笑)。横溝特有のおどろおどろしさも無いのだが、宮川一夫撮影のおかげで芸術的要素があるので困ってしまう。おかげで市川崑作品よりも映像だけは素晴らしいと思える。
そんな駄作の仲間入りしそうな中、岩下志麻のオナニーシーンが印象に残る。股を触っていると二重人格の一方であるふぶきの人格が現れるんだな・・・これが。なぜふぶきが淫乱の性格なのかよくわからんが・・・
タイトルあんま関係ない
なんだか金田一さんのマイブームが来たので鑑賞。
1982年の鹿賀丈史バージョン。外見は定番スタイル。なんとか個性を出そうと苦心していたように見えた。時代背景も60年代末に変更してビートルズを漂わせなんだが妙なテイスト。
監督の篠田正浩はおどろおどろしい演出はうまくなく、決めショットが不足気味。しかしながら、自分の妻(岩下志麻)にあの演技をさせた点だけは評価できる。というか岩下志麻の存在がすべてな映画のような…
やはり出来は市川崑のヒットシリーズには遠く及ばず。横溝正史を映画化するには監督にもその資質が必要なのでしょうな。
篠田
通俗的な篠田が、宮川一夫を殺す殺人事件。冒頭のビートルズから、ずっこける。岩下志麻をあんな風に撮る旦那に反吐が出る。岸本加世子が、森下愛子ばりにコケティッシュで、加賀まりこの系譜であることは確認できる。
ビートルズがよかった
以前にテレビで見てあまり面白くなかった印象があったのだが、見たのがまだ学生の時で理解力が乏しかったのかもしれない。せっかくの機会なので映画館で見てみたところあまり面白くなくて途中でウトウトしてしまった。結局のところ古尾谷雅人は全く無関係だったようだ。
映画は長かったけど『レット・イット・ビー』が聞けて満足した。
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