アフター・ウェディング : 新作映画評論

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新作映画評論

アフター・ウェディング アフター・ウェディング 10月27日よりシネカノン有楽町1丁目にてロードショー

西洋人の本質を描き出したスサンネ・ビア監督の意欲作

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予期せぬ悲劇に翻弄されていく家族や男女を通して、善悪で単純に割り切ることができない複雑な感情や関係を、繊細にして冷徹な眼差しで描き出す。スサンネ・ビアのスタイルは、ドグマ作品「しあわせな孤独」以来、一貫しているが、主人公たちの位置づけには興味深い変化がある。前作の「ある愛の風景」ではアフガン紛争が、この映画ではインドの貧困が盛り込まれ、彼らが、西洋人であることに関心が向けられているのだ。

インドで孤児たちの援助活動に従事するデンマーク人のヤコブ。彼を祖国に呼び寄せ、巨額の寄付と引き換えにその人生を支配しようとする実業家ヨルゲン。孤児を守るコスモポリタンは当然、傲慢な西洋人に激しい苛立ちを覚える。だが、ヤコブにも関わる秘密が明らかになるとき、その図式が揺らいでいく。

ふたりを対照的な存在にしているのは、何よりも境遇の違いである。力を持つヨルゲンは、自分の手が届かない未来までコントロールしようとし、喪失を背負うヤコブは、理想に救いを求めようとする。しかし実は彼らは、どちらも本質的に西洋人であり、父親としての愛に突き動かされている。スサンネ・ビアは、そんな彼らの本来の姿を浮き彫りにしていくのだ。

大場正明

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  • アフター・ウェディング
  • 06年度アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされ、すでにハリウッドデビュー作(ハル・ベリー主演「Things We Lost in the Fire」)も完成させているデンマークのスサンネ・ビア監督による人間ドラマ。インドで孤児の援助活動を行うヤコブは、祖国の実業家ヨルゲンから巨額の寄付金の申し出を受ける。デンマークに戻ったヤコブは、ヨルゲンの娘の結婚式に誘われ、思いがけない人と再会し、ヨルゲンの真の望みを知る……。主演は「007/カジノ・ロワイヤル」のマッツ・ミケルセン。
  • 原題:
    Efter Bryllupet
    監督:
    スサンネ・ビア
    脚本:
    アナス・トーマス・イェンセン
    撮影:
    モーテン・ソーボー
    音楽:
    ヨハン・セーデルクビスト
    出演:
    マッツ・ミケルセン、ロルフ・ラッセゴード、シセ・バベット・クヌッセン、スティーネ・フィッシャー・クリステンセン
    2006年デンマーク映画/1時間59分
    配給:
    シネカノン
  • 10月27日よりシネカノン有楽町1丁目にてロードショー
  • オフィシャルサイト

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