グッド・シェパード : 新作映画評論

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新作映画評論

グッド・シェパード グッド・シェパード 10月20日より日劇1ほかにてロードショー

アメリカ史の側面をスパイの目を通して描く重厚なスリラー

画像1(C) 2007 UNIVERSAL STUDIOS

原題(The Good Shepherd)が意味するのは、国家の“忠犬”となった男を暗示する“良い(犬の)シェパード”ではなく、新約聖書ヨハネ福音書にある「“良い羊飼い”は羊のために自分の命を犠牲にします」という一節の引用だ。羊とは国家の理性とも読める。

前作「ブロンクス物語」をセンチメンタル・ムードで描いたロバート・デ・ニーロ監督は、第2作目で相当に重厚な題材に斬り込んだ。「フォレスト・ガンプ」「ミュンヘン」の脚本家エリック・ロスによる物語は、イェール大学の学生だった青年(マット・デイモン)がCIAの前身だった諜報活動組織にリクルートされ、やがて冷戦時代が生んだキューバ危機でCIAのナンバー2として裏外交をめぐらす61年までの約30年間に及ぶアメリカ史の側面が、そのエリートスパイの目を通してつむがれる。ロングショットを多用したカメラはおよそ3時間、ゆったりと重厚な動きで時代を往き来する(それが好き嫌いの分かれるところ)。歴代のアメリカ大統領を多数輩出するエリートの秘密結社スカル&ボーンズの秘密やCIA最大の危機であるピッグス湾事件の真実など、興味深いエピソードばかり。

レオナルド・ディカプリオの代役と巷間伝えられているマット・デイモンは、時代を映すメガネの奥に冷徹な目を隠して(“心”を閉じこめて)ストイックに好演している。

佐藤睦雄

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  • グッド・シェパード
  • 監督デビュー作「ブロンクス物語」以来13年ぶりとなる名優ロバート・デ・ニーロによる監督第2作。アメリカが誇る世界最大の諜報機関であるCIAの誕生秘話と、そこに身を投じた一人の男の葛藤を壮大なスケールで描く話題作。第2次大戦前夜のアメリカ東海岸。名門イェール大学のエリート学生だったエドワード(デイモン)は軍からスカウトされCIAの前身である戦略事務局(OSS)の一員として国家の諜報活動に従事していくが……。脚本は「フォレスト・ガンプ/一期一会」「インサイダー」のエリック・ロス。
  • 原題:
    The Good Shepherd
    監督・製作:
    ロバート・デ・ニーロ
    脚本:
    エリック・ロス
    撮影:
    ロバート・リチャードソン
    音楽:
    マーセロ・ザーボス、ブルース・フォウラー
    出演:
    マット・デイモン、アンジェリーナ・ジョリー、ロバート・デ・ニーロ、ビリー・クラダップ、ウィリアム・ハート、ジョー・ペシ、ジョン・タトゥーロ、マイケル・ガンボン、アレック・ボールドウィン
    2006年アメリカ映画/2時間45分
    配給:
    東宝東和
  • 10月20日より日劇1ほかにてロードショー
  • オフィシャルサイト

グッド・シェパード

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