劇場公開日 2007年10月13日

「子役の健気さに心打たれる名作」ふみ子の海 Tacklebockleさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5子役の健気さに心打たれる名作

2007年10月18日

泣ける

しばらく前に、舞台挨拶つきの試写会で鑑賞しました。

その時に登壇した高橋恵子さんも褒めていたのですが、子役の鈴木理子ちゃんが、実に素直で、ひたむきで、「ふみ子が、まさにそこに居る(高橋さんの言葉)」ような、素晴らしい演技を見せてくれています。(個人的には、ポスト「安達祐美」に成長し得る逸材だと思っています。)

様々な苦難や悲しみを乗り越えて、なお、前向きに生きるふみ子の健気さに心を揺さぶられました。詳しくは書きませんが、その「健気さ」を象徴するような、ラストシーンには、誰もが涙できるのではないでしょうか。新潟に残る美しい自然も、効果的に挿入されています。

高橋さん自身も、「これまで演じたことのない役柄」に挑んでおられ、イメージを一新し、役者としての新境地を拓いているのも見逃せません。

俳優人気や話題先行の昨今の作品群とは一線を画し、日本映画もまだまだ捨てたもんじゃないと、素直に感じさせてくれる底力を持った秀作だと思います。是非、ご鑑賞をお薦めします。

Tacklebockle