ONCE ダブリンの街角で : 新作映画評論

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新作映画評論

ONCE ダブリンの街角で ONCE ダブリンの街角で 11月3日より渋谷シネ・アミューズほかにてロードショー

素朴さやつつましさがフィルムに充填された奇跡の映画

画像1(C) 2007 Samson Films Ltd. and Summit Entertainment N.V.

甘く切ない、典型的な“ボーイ・ミーツ・ガール”の物語だ。移民が増加傾向にあるアイルランドのダブリンを舞台に、プロのミュージシャンを夢見るストリートミュージシャンの男と、チェコからやって来た花売りや家政婦をしている若い女の出会いが描かれる。恐ろしいほどの超低予算の小品(製作費は日本円でわずか1800万円)ながら、アラン・パーカー監督「ザ・コミットメンツ」を彷彿とさせる、アイリッシュ魂や彼らの音楽の神が宿ったかのような奇跡のフィルムだ。

アイルランドの人気ロックバンド“ザ・フレイムス”のフロントマン、グレン・ハンサードによるアダルトオリエンテッドなラブソングが全曲、胸に沁みる。夢の実現に向けて、男のギターと女のピアノの音色が“愛”を交歓させる彼らのレコーディング風景は、音楽ファンなら誰しも血がたぎる映画の白眉だ!

父親のバイク、トライアンフを駆る海辺へのドライブデートや、ダブリンの街角を散歩する2人のさりげない2ショットが心を揺さぶるのは、この男女の手の“距離感”が均衡を保たれているからだ。まるで「マディソン郡の橋」の男女のような運命に導かれた“たった一度の恋”なのだ。「歌を歌う友だちをビデオで撮影し合ってた16歳の頃に戻ったようだ」と語る元ベーシストのジョン・カーニー監督の素朴さやつつましさが、フィルムのひとかけらひとかけらに奇跡的に充填されている。

佐藤睦雄

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ABOUT THE MOVIE

  • ONCE ダブリンの街角で 画像2
  • ONCE ダブリンの街角で
  • ダブリンのストリートで自作の歌を奏でる男の前に、ひとりの女が現れる。彼女のピアノにほれ込んだ男は、彼女のために曲を書き、2人のセッションは美しいハーモニーを奏でる。07年サンダンス映画祭で注目を集め、上映館が全米2館から口コミで140館まで拡大したドラマ。主演はアイルランドのロックバンド、ザ・フレイムスのグレン・ハンサードと、彼のアルバムで共作しているチェコ出身のミュージシャン、マルケタ・イルグロバ。
  • 原題:
    Once
    監督・脚本:
    ジョン・カーニー
    製作:
    マルティナ・ニランド
    撮影:
    ティム・フレミング
    出演:
    グレン・ハンサード、マルケタ・イルグロバ、ヒュー・ウォルシュ、ゲリー・ヘンドリック、アラスター・フォーリー
    2006年アイルランド映画/1時間27分
    配給:
    ショウゲート
  • 11月3日より渋谷シネ・アミューズほかにてロードショー
  • オフィシャルサイト

ONCE ダブリンの街角で

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